カギを握る動画コンテンツ「IPビジネス」とは
もう少し捕足すると、テレビシリーズでは、「アニメーション制作」もしくは「制作」とクレジットされるのは「元請け」だけ。「グロス請け」は請け負った話数に対してだけ「制作協力」などと表記される。「専門スタジオ」がクレジットに登場するケースは非常に珍しい。
もう1つ、アニメ業界で現在注目されているのが「IPビジネス」だ。IPとは「Intellectual Property=知的財産」のこと。制作会社がつくった動画コンテンツのIP(知的財産)を持つことができるかどうかは、ビジネス上の重大事だ。なぜなら、IPをライセンスとして販売できれば、莫大な利益を生むからだ。
とくに、雑誌から生まれた漫画作品をアニメ化する場合、原作者、漫画家、出版社、アニメ制作会社などの権利関係が複雑になる。しかし、アニメ制作会社もIPを得られれば、たとえば以下のようなビジネスに利用できる。
(1)アニメコンテンツを、アプリや専用サイトで配信する。
(2)根強いファンを獲得した作品を、ゲームやパチンコ、グッズ製作などに2次利用する。
(3)アミューズメント施設やイベント施設とコラボレーションする。
(4)テレビCMなどに活用する。
こういった案配だ。