厳しい原材料高~製品価格への転嫁...難しい舵取り
また、主にヨーグルトを扱う「栄養・機能性食品事業」は、売上高が0.8%減と横ばいだったが、営業利益は37.0%減だった。健康志向の高まりから、機能性ヨーグルトは根強い需要があるものの、原材料価格の上昇を吸収しきれていない。
決算発表直後の9日にも株価は急落し一時、前日終値比280円(5.8%)安の4510円まで下げた。週明け後も反転の兆しは見えていない。
野村証券が決算発表後に配信したリポートは、「コストインフレの影響に加え、総じて国内販売が弱く、ネガティブな印象」と指摘した。
国内でも本来は高収益分野である主力食品事業の販売が弱いところが痛いが、今後も9月に果汁飲料「サンキスト」、10月に家庭用チーズなどの値上げに踏み切る。
製品価格に転嫁せざるを得ないほど原材料価格が上昇しているのは事実だが、顧客離れが進んでしまえば元も子もない面もあり、難しい舵取りを迫られている。(ジャーナリスト 済田経夫)