年収1400万円夫、年収900万円妻に「グータラ仕事しないで、もっと稼いで!」と投稿、炎上! 妻がダラけて見える理由は?...専門家に聞いた(3)

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   年収1400万円の夫が、パートだが年収900万円も稼ぐ妻に対し、「グータラしないでフルタイムできちんと働き、もっと稼いでほしい」と望む投稿が炎上状態だ。

   妻は本人にしかできない「特殊な仕事」を在宅でこなしているが、ハンモックで寝たり、ネットサーフィンをしたり、1日に実質2時間しか「仕事」をしない。夫からは怠けて見えて仕方がないが、妻自身は「私はだらけるのが好き。そのため最大限の努力をしている」とすれ違いだ。

   この夫の投稿には「夫婦で年収2300万円の収入があれば十分!」「奥さんのメンタル面も考えてあげて!」と厳しい批判が相次いでいる。一方、夫婦には幼稚園児が2人おり、夫は「自分も家事育児を分担している」と反論。

   人間はいくら収入があれば満足できるのか。夫婦の共働きのあり方も含めて、専門家に意見を聞いた。

  • 在宅ワークでラクをしているわけではない!(写真はイメージ)
    在宅ワークでラクをしているわけではない!(写真はイメージ)
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「出社しろ」と言われても、もうメイクの仕方忘れた...

   <年収1400万円夫、年収900万円妻に「グータラ仕事しないで、もっと稼いで!」と投稿、炎上! 妻がダラけて見える理由は?...専門家に聞いた(1)>および<年収1400万円夫、年収900万円妻に「グータラ仕事しないで、もっと稼いで!」と投稿、炎上! 妻がダラけて見える理由は?...専門家に聞いた(2)>の続きです。

在宅ワークを続けて、メイクの仕方も忘れた(写真はイメージ)
在宅ワークを続けて、メイクの仕方も忘れた(写真はイメージ)

――追加の投稿を読むと、妻は夫に対して「フルタイムに戻りたくない」理由をこう説明しているそうです。

(1)フルタイムに戻ったとしても、もう仕事の前線にはつけないし、責任が増える。
(2)職場で迷惑そうな顔をされるのはうんざり。今の状況が良くないのは理解している。自分でも今日一日くだらない時間を過ごしたと落ち込む。鬱(うつ)っぽいのかもしれない。
(3)もっと出社しろと実は言われているが、太ってしまったのでまともに着られる服がなく、メイクの仕方ももう忘れた。元同僚に馬鹿にされそうで行きたくない。

こう見ると、ただ、だらけているだけではありませんね。

川上敬太郎さん「妻自身も悩んでいて、現状を変えたいと考えていることがうかがえます。しかし、何をどのように変えればよいのか、妻自身も明確になっていないようです。つまり、現状を変えたいと考えてはいるものの、妻自身の力だけで解決するのは難しい状況に陥っている可能性があるということだと思います。
妻の現状を一方的に否定するのではなく、まずありのままの状況を受け入れたうえで、お二人にとってもよりよい状況となる出口を探す必要があるのではないでしょうか」

年収900万円を少し増やしても、手取り額は変わらないが...

いっそ仕事から完全に離れて自分を解放してはいかが(写真はイメージ)
いっそ仕事から完全に離れて自分を解放してはいかが(写真はイメージ)

――ところで、投稿者に対して「子供が大きくなるまで待てないのか」とか「妻への嫉妬ではないか」という批判も多かったです。どう思いますか。

川上さん「妻にもっと働いてもらい、世帯収入を増やすことを目的とする場合には、たしかに『子どもが大きくなるまで待つ』ことも、解決策の1つになるのかもしれません。しかし、そもそも世帯収入をもっと増やす必要があるのか否かを検証することのほうが先なのではないでしょうか。
妻への嫉妬については、投稿者さん自身も『ないとは言い切れない』と言っています。妻の置かれている状況に寄り添いつつ、冷静にご自身の心の落ち着け所を探っていただきたいと思います」

――また、妻と同様の働き方をする人の中には、「奥さんのようにクリエイティブと思われる仕事には、だらけて見える瞬間に脳が活性化してアイデアがひらめくこともある」とか、現実問題として、「年収900万円を少し増やした程度では、手取り収入が変わらない」という意見もありました。

クリエイティブな仕事はアイデアがひらめくまでが大変(写真はイメージ)
クリエイティブな仕事はアイデアがひらめくまでが大変(写真はイメージ)
川上さん「『実際仕事をしているのは平均して2時間程度』ということですが、高い集中力を必要とする2時間であれば、業務終了後の疲労感も強いかもしれません。回答者から寄せられている意見にもあるように、リラックスすることも含めて、準備の整え方が重要な業務もあります。単純に業務時間が2時間程度だというだけで、その業務がラクだと一概に決めつけられるものではないのだと思います。
また、『年収900万円を少し増やした程度』でよいか否かは、投稿者さんご夫婦がいくらの手取り収入が必要だと考えているのかによって、変わってくるのだと思います。年収900万円からいくら増やせばよいのかを考える前に、まずお二人にとって必要な手取り収入額がいくらなのかを設定する。そのうえで、その額を達成するというゴールから逆算し、夫婦でそれぞれどれだけの収入を得るのが望ましいかを決める――こういう順序で考えたほうがよいのではないでしょうか」

目線を合わせて、夫婦にとって望ましい家庭の姿を描く

夫婦で話し合いを(写真はイメージ)
夫婦で話し合いを(写真はイメージ)

――川上さんならズバリ、投稿した夫とその妻にどうアドバイスしますか。二人は、これからどんな関係を築いていけばよいでしょうか。

川上さん「投稿者さんは妻にフルタイム勤務を望んでいるようですが、奥様がフルタイムで働くことで失うものもあるはずです。それはお金以外の、時間や健康、精神的なゆとりといった要素です。それらの要素と、フルタイム勤務することで増やせるお金とを比較した時、どちらのほうがご夫婦にとってメリットがあるのかを冷静に検証されてはどうかと思います。
また、奥様自身も『鬱(うつ)っぽいのかもしれない』との言葉に象徴されるように、よい状態ではないようにお見受けします。一度仕事から完全に離れる。あるいは逆に、家事育児から完全に離れて仕事に集中するなど、どのように現状を変えるのが妻にとって望ましいのかを考えたほうがよいのではないでしょうか。
現状のまま続けていってしまうと、奥様の中にストレスがどんどん蓄積してしまうのではないか心配です。また、その状況を見ている投稿者さん自身も、ストレスを溜めていくことになってしまうように思います」

――そうなると、二人ともいっぱい、いっぱいになってしまいますね。

川上さん「投稿者さんご自身から見えている妻の姿と、奥様自身が感じている自分の姿とは異なっている部分があるように思います。また、投稿者さん自身が感じているご自分の姿と、奥様から見えている投稿者さんの姿も然り。さらに、ご夫婦それぞれの価値観や考え方もあります。
まずは、それらの目線合わせを行わなければ、投稿者さんと奥様、それぞれの思いがすれ違ったまま、互いの距離が離れていってしまうのではないでしょうか。そのような状況はお二人にとって望ましくないのはもちろん、日々そんなお二人の姿を見ているお子様にとっても悲しい状況となるはずです。
投稿者さんも奥様も、ストレスを溜め続けている状態に見えます。現状を変えることを前提に、まずお互いの目線を合わせた上で、お二人にとって望ましい家庭の姿を描き、実現に向けて協力していただきたいと思います」

(福田和郎)

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