目線を合わせて、夫婦にとって望ましい家庭の姿を描く
――川上さんならズバリ、投稿した夫とその妻にどうアドバイスしますか。二人は、これからどんな関係を築いていけばよいでしょうか。
川上さん「投稿者さんは妻にフルタイム勤務を望んでいるようですが、奥様がフルタイムで働くことで失うものもあるはずです。それはお金以外の、時間や健康、精神的なゆとりといった要素です。それらの要素と、フルタイム勤務することで増やせるお金とを比較した時、どちらのほうがご夫婦にとってメリットがあるのかを冷静に検証されてはどうかと思います。
また、奥様自身も『鬱(うつ)っぽいのかもしれない』との言葉に象徴されるように、よい状態ではないようにお見受けします。一度仕事から完全に離れる。あるいは逆に、家事育児から完全に離れて仕事に集中するなど、どのように現状を変えるのが妻にとって望ましいのかを考えたほうがよいのではないでしょうか。
現状のまま続けていってしまうと、奥様の中にストレスがどんどん蓄積してしまうのではないか心配です。また、その状況を見ている投稿者さん自身も、ストレスを溜めていくことになってしまうように思います」
――そうなると、二人ともいっぱい、いっぱいになってしまいますね。
川上さん「投稿者さんご自身から見えている妻の姿と、奥様自身が感じている自分の姿とは異なっている部分があるように思います。また、投稿者さん自身が感じているご自分の姿と、奥様から見えている投稿者さんの姿も然り。さらに、ご夫婦それぞれの価値観や考え方もあります。
まずは、それらの目線合わせを行わなければ、投稿者さんと奥様、それぞれの思いがすれ違ったまま、互いの距離が離れていってしまうのではないでしょうか。そのような状況はお二人にとって望ましくないのはもちろん、日々そんなお二人の姿を見ているお子様にとっても悲しい状況となるはずです。
投稿者さんも奥様も、ストレスを溜め続けている状態に見えます。現状を変えることを前提に、まずお互いの目線を合わせた上で、お二人にとって望ましい家庭の姿を描き、実現に向けて協力していただきたいと思います」
(福田和郎)