年収900万円を少し増やしても、手取り額は変わらないが...
――ところで、投稿者に対して「子供が大きくなるまで待てないのか」とか「妻への嫉妬ではないか」という批判も多かったです。どう思いますか。
川上さん「妻にもっと働いてもらい、世帯収入を増やすことを目的とする場合には、たしかに『子どもが大きくなるまで待つ』ことも、解決策の1つになるのかもしれません。しかし、そもそも世帯収入をもっと増やす必要があるのか否かを検証することのほうが先なのではないでしょうか。
妻への嫉妬については、投稿者さん自身も『ないとは言い切れない』と言っています。妻の置かれている状況に寄り添いつつ、冷静にご自身の心の落ち着け所を探っていただきたいと思います」
――また、妻と同様の働き方をする人の中には、「奥さんのようにクリエイティブと思われる仕事には、だらけて見える瞬間に脳が活性化してアイデアがひらめくこともある」とか、現実問題として、「年収900万円を少し増やした程度では、手取り収入が変わらない」という意見もありました。
川上さん「『実際仕事をしているのは平均して2時間程度』ということですが、高い集中力を必要とする2時間であれば、業務終了後の疲労感も強いかもしれません。回答者から寄せられている意見にもあるように、リラックスすることも含めて、準備の整え方が重要な業務もあります。単純に業務時間が2時間程度だというだけで、その業務がラクだと一概に決めつけられるものではないのだと思います。
また、『年収900万円を少し増やした程度』でよいか否かは、投稿者さんご夫婦がいくらの手取り収入が必要だと考えているのかによって、変わってくるのだと思います。年収900万円からいくら増やせばよいのかを考える前に、まずお二人にとって必要な手取り収入額がいくらなのかを設定する。そのうえで、その額を達成するというゴールから逆算し、夫婦でそれぞれどれだけの収入を得るのが望ましいかを決める――こういう順序で考えたほうがよいのではないでしょうか」