行動制限なしの今夏、イベント「転売チケット」詐欺にご注意!「推し活」アイドルに会えないばかりか、だまし取られて...トホホ

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   「推し活」という言葉をご存じだろうか。

   自分の好きなアーティスト、スポーツ選手など(=推し)を応援することだが、新型コロナ対策の「行動制限」がなくなって以降、イベントが増えて、「推し活」を楽しめるようになった。

   そこで急増しているのが、転売チケットをめぐる詐欺まがいのトラブルだ。国民生活センターでは2022年8月4日、「『推し』に会えない!?転売チケットの購入トラブルが急増中!」というリポートを発表、注意を呼びかけた。いったい、どんな手口なのか。

  • 「推し」のアイドルに会えると思っていたのに…(写真はイメージ)
    「推し」のアイドルに会えると思っていたのに…(写真はイメージ)
  • 「推し」のアイドルに会えると思っていたのに…(写真はイメージ)

女性歌手のライブを検索すると、転売仲介サイトだった?!

   国民生活センターによると、今年3月21日、東京や大阪、愛知など18都道府県に適用されていた新型コロナ対策のまん延防止等重点措置が一斉に解除されて以降、イベントの転売チケットをめぐる購入トラブルが急増した。今年4月と5月の相談件数は計384件、昨年同時期の77件に比べると、約5倍に増えている。

   図表は、2021年4月から2022年6月までの全国の転売チケットをめぐる購入トラブル合計1157件を、性別・年代別に表したグラフだ。これを見ると、女性が74.6%と、圧倒的に多い。とくに、20歳代に集中しており、次いで50歳代も多いことがわかる。主に20歳代女性はコンサートやスポーツ観戦、50歳代女性は観劇のチケット購入で被害に遭うようだ。

(図表)転売チケットのトラブル相談の性別・年代別件数(国民生活センターの作成)
(図表)転売チケットのトラブル相談の性別・年代別件数(国民生活センターの作成)

   こんな事例が代表的だ。

【事例1】転売仲介サイトと気づかず、高額なライブチケットを購入してしまった

「検索サイトで『〇〇(女性歌手)ライブ』と検索し、一番上に表示されたサイトにアクセスした。画面に制限時間のカウントダウンが表示されたので、急いでチケット2枚、約4万円をクレジットカードで支払った。
購入後、このサイトを調べたら、海外の転売仲介サイトだったことが分かった。ライブのチケットを購入したのは今回が初めてで、あせってしまった。本当にチケットが届くのかどうかも怪しいので、キャンセルしたい」(2022年4月・20歳代女性)

購入したチケットでは「入場お断り」だった

「推し」のミュージシャンのライブに行きたかった(写真はイメージ)
「推し」のミュージシャンのライブに行きたかった(写真はイメージ)

【事例2】転売仲介サイトで購入したチケットでは入場できないことにあとから気づいた

「高校生の息子が夫と2人で、男性歌手のコンサートに行くことになった。チケットは定価1枚1万2000円程度とのことだったが、購入後、息子から2枚で約3万8000円だったと聞いて高すぎると思った。
購入したサイトを確認したら、転売仲介サイトだった。男性歌手の公式ホームページを見ると、『転売仲介サイトで購入したチケットは正規のチケットとは認められないので、判明した場合は入場をお断りする』と書かれていた。入場できないならキャンセルしたい」(2022年4月・10 歳代男性)

【事例3】SNSで知り合った個人にライブチケット代金を振り込んだ後、連絡が取れなくなった

「有名女性グループのライブのチケットを入手しようと、SNSで検索した。『約1万5000円で譲る』という個人の投稿を見つけ、公式の値段より安かったので譲ってもらうことにした。相手がマイナンバーカードの画像を送ってくれたので信用してしまい、相手の銀行口座に2席分の約3万円を振り込んだ。その後、相手と連絡が取れなくなってしまった」(2022年4月・20歳代男性)

「チケット不正転売禁止法」違反は100万円以下の罰金

「不正転売詐欺師」に引っかからないように!(写真はイメージ)
「不正転売詐欺師」に引っかからないように!(写真はイメージ)

   国民生活センターではこうアドバイスをしている。

(1)チケットは、興行主催者、主催者から正式に販売許可を得たプレイガイド、ファンクラブ、アーティスト公式ホームページなどの正規販売ルートから購入しよう。定価で購入できるだけでなく、公演が延期や中止になった場合には払い戻しなどの補償も受けられる。

(2)Web検索では、検索結果に表示されたサイトが転売仲介サイトでないか、よく確認する。「〇〇(アーティストの名前) ライブ」と検索すると、ページ上部に転売仲介サイトの広告が表示されることがある。「リスティング広告」(検索連動型広告)と呼ばれるもので、初めてライブチケットを購入する人は公式チケット販売サイトと勘違いしやすい。

(3)転売仲介サイトでは「残り〇枚」という表示や、「残り時間〇分」というカウントダウンが始まることがあり、初めての人は「早く購入しなければ」と焦らされる。サイトの規約や価格などをよく確認しないまま、チケットを購入してしまいがちだ。

(4)転売仲介サイトを利用する場合は、まずイベントの公式ホームページを見て、情報を確認しよう。チケットの転売禁止や、転売サイトから購入したチケットでは入場できないことなど、ルールが記載されている。

(5)SNSで知り合った相手との個人間取引には大きなリスクを伴う。「代金支払い後に連絡がとれなくなった」などの被害が絶えない。 また、そもそも興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨が明示されたチケットの転売は、「チケット不正転売禁止法」で禁じられているのだ。違反した場合は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科される。
 ライブに行けなくなったなどの理由でチケットを譲りたい場合は、公式のリセールサービスを利用しよう。

(福田和郎)

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