米ドル円、難しい相場続く(一橋大学 チームMegis)
先週(7月25日週)、アメリカのGDP(国内総生産)が2期連続で縮小したことで長く続いていた円安ドル高傾向が反発し、円高が急激に進行したのは記憶に新しいことかと思います。われわれもその影響でかなりの損失を被ってしまいました。
今週(8月1日週)もドル円は安定せず、かなり難しい市場が続いたという印象でした。そのため、私たちは分析の結果取引に手を出さず、来週以降に備えるという選択をしました。分析したのは、主にドル円です。
◆ 米ドル円
今週もドル円は不安定で、アメリカ経済の先行き不透明感を印象づけました。先週末に発表された6月のアメリカ個人消費支出物価指数の伸び率は5月のものを上回り、今週の前半はアメリカのインフレ圧力の強さが意識され、一時円安反転しました。
しかし、2日夜からナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問し、それに対して中国は軍事演習の計画を示すなど米中間の緊張感が高まりました。それを受け安全資産といわれる円を買う傾向が強まり1ドル=130円台後半まで大幅に円高が進みます。これは2か月ぶりの円高ドル安水準でした。
2日には一時10年債利回りが3か月債利回りを下回る逆イールドが起こりました。今まで10年債と2年債の逆イールドが定着していましたが、さらにアメリカの景気後退が意識された形です。その後4日には景況感を示す指標が改善したほか長期国債の金利が低下していたこともあり、再び円安ドル高となりました。
そして5日朝方、7月の米雇用統計が発表されたことで大幅円安に転じています。非農業部門の雇用者数が前月比52万8000人増で、これは予想の約2倍の数字でした。予想より指標が改善していたことで、FRB(米連邦準備制度理事会)は利上げ幅を0.75%で維持し続けるだろうという予想が広がりました。
今回、分析を通して改めて分析すべき要素の多さ、各要素の影響力の大きさなどファンダメンタルズ分析の難しさを実感しました。今後も分析を怠ることなく取引していきたいと考えています。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月5日現在 90万8493円
◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス 今週(8月1日週)は難しかったですね。わからない相場は手出ししないが吉なので、良い判断だったと思います。ISMの雇用指数を見ると前月よりも改善しているため、雇用統計は良い数字が出るかもしれない予想はできたのかもしれません。1980年代以来のインフレ率の高さで、政策金利の当時からすれば全然低く、前例のない相場に現在直面しています。ファンダメンタルズを見ないとなかなか難しいですし、調べるのは大変ですよね。これをきっかけに知見も広がるでしょうし、私もそうですが良い経験になりますね。
林檎
一橋大学投資サークルTOWALYに所属しています。ファンダメンタルズ分析を基に株式投資を行っており、FXはまだ初心者です。モラトリアム実践中! 経験が浅いFXでは試行錯誤が続くことと思いますが、みなさんに成長していく姿をお見せしたいと思っています! よろしくお願いします!!
一橋大学投資サークルTOWALYに所属しています。FXの経験はまだ浅いのですが、この一年を通してさまざまなことを吸収し、成長していきたいと思っています。テクニカル分析に興味があります! 1年間よろしくお願いします!