補正予算での積み増しは? 「脱炭素」へ問われる政権の本気度
EVの販売が好調なのは、脱炭素化を進める政府にとって朗報だが、補正予算を組んでEV購入の補助金を積み増すとなれば、赤字国債の発行は避けられない。
一方では、原油価格の高騰で高止まりするガソリン価格を抑えるための補助金も支給している。ガソリンへの補助金を続けるのに、EV補助金をやめてしまっては、脱炭素へ向けた岸田政権の政策誘導の本気度が問われるだろう。
EVに関しては、トヨタ自動車とSUBARU(スバル)も共同開発の新型車を発売したが、予期せぬ初期トラブルの発生で販売を見合わせている。
政府と自治体の補助金はEV販売動向のカギを握るだけに、今後の政府の対応を自動車メーカーは注視している。
いまのところ、メディアや政財界の注目度は低く、この問題の存在を知らない消費者も多いようだ。秋口になってEV補助金の終了が目前に迫るにつれ、与野党を巻き込んだ議論になるのは間違いない。(ジャーナリスト 岩城諒)