上場企業平均年収605万円...この10年で最高! 3位ヒューリック、2位キーエンス...総合商社5社を押さえての1位は?

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トップ10社、総合商社以外は個性的企業ばかり

上場企業の年収がアップしているという(写真はイメージ)
上場企業の年収がアップしているという(写真はイメージ)

   総合商社を除く5社は、いずれも個性的な企業ばかりだ。

   1位になったのは中堅・中小企業を対象にM&A仲介事業を行うM&Aキャピタルパートナーズ(東京都千代田区)で2688万4000円。後継者難に悩む中小企業を専門として急成長を続け、前年度(2269万9000円)から18.4%も増え、2014年度から8年連続でトップを維持した=再び、図表2参照

   2位の精密機器メーカーのキーエンス(大阪市東淀川区、2182万7000円)は、企業向けの機器開発・販売を専門にしており、さまざまな年収調査ではトップクラスの常連。3位の大手不動産ヒューリック(東京都中央区、1803万2000円)は、東京銀座など好立地の老朽化した自社物件を建て替えて、付加価値を付けて賃料を増やしていく戦略で業績を伸ばしている=再び、図表2参照

   4位の不動産金融商品開発の地主(大阪市中央区、1694万4000円)は、今年1月に旧・日本商業開発から社名変更をした。「建物を持たずに土地のみに投資して、地主に徹する」という独自のビジネスモデルを築いている。8位の製薬メーカー、ソレイジア・ファーマ(東京都港区、1490万円)は「がんと向き合う人たちの未来を照らす希望でありたい」をスローガンに、がん領域の革新的医薬品開発・販売に特化している=再び、図表2参照

   産業別では、最高は電気・ガス業の731万7000円。以下、建設業713万5000円、不動産業674万6000円、金融・保険業649万6000円と続く。最低は小売業の472万1000円。トップの電気・ガス業と最低の小売業の差は259万6000円で、1.5倍に開いている=図表3参照

(図表3)産業別、上場企業平均年間給与(東京商工リサーチ調べ)
(図表3)産業別、上場企業平均年間給与(東京商工リサーチ調べ)

   平均給与額の幅を金額別にみると、最多が「500万円以上600万円未満」(984社、30.6%)で、次いで「600万円以上700万円未満」(783社、24.3%)、「500万円未満」(742社、23.0%)、「700万円以上800万円未満」(442社、3.7%)、「800万円以上900万円未満」(152社、4.7%)の順となった。1000万円以上は57社(1.7%)で、前年度から8社増えた=図表4参照

(図表4)金額別、上場企業平均年間給与(東京商工リサーチ調べ)
(図表4)金額別、上場企業平均年間給与(東京商工リサーチ調べ)

   これを見ると、「500万円以上600万円未満」と「500万円未満の平均給与額」の割合が前年度から減少した一方、「600万円以上のレンジ」の割合が増加し、上場企業の間でも業績、業種による格差が広がったかっこうだ。

   調査は、2021年度決算(2021年4月期~2022年3月期)の全証券取引所の上場企業を対象に、有価証券報告書の平均年間給与を抽出、分析した。

(福田和郎)

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