米国株が上昇している。7月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで、インフレ懸念が後退した。米国株の上昇に伴い、東京株式市場の日経平均株価も2022年8月12日には2万8000円台に回復してきた。
ただ、インフレへの懸念は予断を許さない状況が続いている。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ発言や米国の経済指標のゆくえには注目が必要。引き続き、台湾情勢をめぐる米中の緊張感の高まりも気になる。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 2万9000円台を試す?
日経平均株価予想レンジ:2万8000円~2万9000円
2022年8月12日(金) 終値 2 万8546円98銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、高値もみ合いか。
前週の東京株式市場の日経平均株価は、続伸した。米国の7月の消費者物価指数が市場予想を下回り、インフレ懸念が後退したことで、米国株が大幅に上昇し、日経平均株価の上昇をけん引した。
今週の日経平均株価は、高値もみ合いとなりそうだ。国内の企業決算がピークを越え、材料不足のなか、米国株の回復が相場の下支えとなりそうだ。
相場の上昇につながる好材料次第では、日経平均株価は2万9000円を試しに行く可能性もある。ただ、米国のインフレ懸念は後退したものの、米国景気に対する懸念は残っている。米国の経済指標の結果には注意が必要だ。
東京外国為替市場 FRBの利上げ発言に要注意
ドル・円予想レンジ:1ドル=132円00銭~135円00銭
2022年8月12日(金)終値 133円48銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが底堅い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが反落した。米国の7月の消費者物価指数が市場予想を下回り、インフレ懸念が後退したことで、ドル売り・円買いが活発化。ドルは一時1ドル=132円付近まで下落した。
今週のドル円相場は、ドルが底堅い展開となりそうだ。米国の7月の消費者物価指数が市場予想を下回り、インフレ懸念は後退したものの、米国のすべての経済指標でインフレのピークアウトが確認されたわけではなく、今後の経済指標の結果次第では、インフレ懸念が再燃する可能性がある。また、FRB(米連邦準備制度理事会)関係者からは、引き続き、利上げを示唆する発言もあり、予断を許さない状況だ。米国の利上げのゆくえを占う意味でも、今後の米国の経済指標は注目だ。
経済指標は、国内では15日に4~6月期GDP(国内総生産)速報値、17日に6月の機械受注、7月の貿易収支、19日に7月の全国消費者物価指数などの発表が予定されている。
海外では、15日に中国の7月の鉱工業生産と小売売上高、16日に米国の7月の住宅着工件数と鉱工業生産、17日に米国の7月の小売売上高、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(7月26~27日開催分)などの発表が予定されている。
(鷲尾香一)