トラック大手の日野自動車による排ガス、燃費のデータ改ざん問題が拡大している。
日野自が設置した特別調査委員会が2022年8月2日に発表した報告書は、改ざん開始時期がこれまで発表されていた16年から10年以上さかのぼるなど、「早期正常化」を願う業界の期待を打ち砕く内容だった。
「影響がどこまで広がるか先が見えない」
商用車業界関係者がそう語るように、日野自だけでなく、業界の混乱はにわかに収まりそうもない。
22年3月、データ改ざん問題発覚...エンジン4機種「型式指定」取り消しに
日野自はトヨタ自動車のグループ会社で、国内大型トラック市場で3分の1強のシェアを誇るトップ企業。他メーカーにもエンジンなどの主要部品を提供しており、商用車業界で中心的な役割を担ってきた。
しかし、2022年3月、データ改ざん問題が発覚し、国交省は同社製エンジン4機種について、大量生産に必要な「型式指定」を取り消した。これにより、日野自は大型バスなど8車種の出荷ができない状況になっている。
日野自からエンジン提供を受けているメーカーにも影響が広がっており、日野自は「型式指定」の再取得を目指している最中だった。