企業側のメリットとは?
ワーケーションが企業にもたらすメリットとして、次の項目を挙げている。
1 オフィス維持や通勤に関わる「コストの削減」
2 SDGsの取り組みとしての「社会的貢献」
3 緊急事態に備えるための「レジリエンス」 災害リスクへの備えとなる
一方、ワーケーションによって関係人口が増え、地方が活性化するカギになる、と地方の自治体は期待を寄せている。ワーケーションに取り組む自治体の事例も紹介している。
休暇によるリフレッシュを大事にする自然型ワーケーションとしては、長野県の「信州リゾートテレワーク」や北海道の「北海道型ワーケーション」などがある。一方、街の文化に触れる都市型ワーケーションとして、神奈川県東部エリア(鎌倉・逗子・横須賀)や千葉県南房総エリアでの取り組みを挙げている。
ワーケーションを行うにあたっては、何にフォーカスするかによって、行き先や滞在期間、活動内容が変わってくるので、休暇か仕事か地域貢献か目的をはっきりさせることが大切だ、としている。
新型コロナ禍を契機に、「移動しなくてよい」社会へと移行しつつあるが、仕事での創造力を生み出すには、あえて移動し、新しい刺激を受けることが求められる。ワーケーションの意義はそこにある、と長田さんは総括している。
(渡辺淳悦)
「ワーケーションの教科書」
長田英知著
KADOKAWA
1650円(税込)