「経済安保上のカギ」次世代半導体...日米連携で量産&研究強化 巨額公的資金も投入...自由貿易「形骸化」には懸念

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   日米両国政府が、次世代半導体の量産に向けた研究開発の加速など、「経済安全保障」での協力の強化に動いている。

   ウクライナ危機や中国の強権的な動きで深まる世界の分断をにらみ、世界1、3位の経済大国である米国と日本が経済分野でも密接に連携し、経済秩序の形成を主導しようという狙いだ。

   ただ、巨額補助金なども投じる技術開発やサプライチェーン(供給網)の強化は自由貿易の原則の反する恐れがあり、「自国優先」といわれないよう、透明性と説明責任が求められる。

  • 日米両国政府、「経済安全保障」での協力強化へ(写真はイメージ)
    日米両国政府、「経済安全保障」での協力強化へ(写真はイメージ)
  • 日米両国政府、「経済安全保障」での協力強化へ(写真はイメージ)

経産相「次世代半導体技術の開発は、日米協力の最重要分野」

   日米両国は安全保障分野で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)がすでにあるが、新たに外務・経済担当閣僚による経済版2プラス2を設置した。正式名称は「日米経済政策協議委員会」。2022年7月29日、ワシントンで第1回会合を開催し、日本から林芳正外相と萩生田光一経済産業相(当時)、米国はブリンケン国務長官とレモンド商務長官が出席した。

   会合後に発表された共同声明では、インド太平洋地域で経済的にも圧力を強める中国を念頭に「経済的な影響力の有害な使用について、深刻な懸念と反対を表明した」と明記。

   今後の取り組みとして、(1)ルールに基づく経済秩序を通じた平和と繁栄の実現、(2)経済的威圧と不公正で不透明な貸し付け慣行への対抗、(3)重要・新興技術と重要インフラの促進と保護、(4)半導体などのサプライチェーンの強化――の4分野の行動計画を打ち出した。

   終了後の共同記者会見で、萩生田経産相が「将来の産業競争力を左右する次世代半導体技術の開発は、日米協力の最重要分野だ」と述べたように、とくに注目されたのが半導体だ。共同声明には、量子コンピューターなどに使う次世代半導体の量産に向けた協力を「前進させる」と記した。

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