もしも、Appleの制服が「イッセイミヤケ」だったら...?
報道によると、スティーブ・ジョブズ氏は、もともと社員向けの「ユニフォーム」を三宅一生氏に依頼する目論見だったのが、社員の大ブーイングを受けて断念。仕方なく自分の「ユニフォーム」だけをオーダーすることになったそうです。
もし、時代の先端を走るApple社の社員に、ファッション界の「異端児」が「ユニフォーム」をデザインしていたら、どんなスタイルになっていたのでしょうか? ジョブズ氏の「ユニフォーム構想」が実現していたら、それこそ時代を変えるムーブメントになっていたかもしれません。
ジョブズ氏が導入した「毎日同じ服を着る」という習慣は、無駄な時間を節約してビジネスに集中するといった、ビジネス上の「戦略」でもありました。オバマ元大統領やフェイスブック(現メタ)創設者のザッカーバーグ氏も、同じテイストの服を着続ける「ユニフォーム戦略」を取り入れていますが、ジョブズ氏のタートルネック姿ほどのインパクトはありません。
ジョブズ氏の黒いタートルネックは、体形や着心地など、ありとあらゆる要素を計算してデザインされたともいわれています。シンプルなデザインでどこか洗練されていて、機能的で着心地がよい...。二人の天才が造り上げた「世界で一番有名なユニフォーム」は、この先もずっと、歴史を変えたデザインとして語り継がれることでしょう。
それでは、「今週のニュースな英語」は、世界中を駆け巡った三宅一生氏の訃報から、「人や業績をたたえる英語」を学びましょう。
World-renowned Japanese fashion designer
(世界的に有名な日本のファッションデザイナー)
world-renowned:世界的に有名な
Issey Miyake, famed for his pleated style of clothing
(プリーツ状の服で有名な三宅一生氏)
famed for ~:~で有名な
Known for his practical design
(合理的なデザインで知られている)
known for~:~で知られている
個人的には、「イッセイミヤケ」の代名詞とされる「プリーツプリーズ」は、コンパクトでしわにならず、洗ってもすぐに乾く機能性と、洗礼されたファッション性を両立した「奇跡の服」だと思っています。
海外で着ていると「ミヤ~ケ~、ワンダフル!」と必ず褒められる優れもの。普通の人をファッショナブルに見せる「MIYAKE」と、普通の人にパソコンを浸透させたジョブズ氏。二人の天才に共通する「哲学」が伝わってくるようです。
(井津川倫子)