まるでブラック企業の広告塔「ストロングマネジメント上司」なんて、もういらなくないですか?【vol.15】(川上敬太郎)

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   とある休日。中学生の次女が部活の大会に出場するというので、応援に出向いたところ、顧問を務める先生も来てくださいました。熱心さをありがたく感じる反面、「平日も忙しいだろうに、部活のために休日まで仕事だなんて、学校の先生も大変だな」と、思わず独りごちました。

   民間企業もしかり。かつて会社員は企業戦士と呼ばれ、「24時間タタカエマスカ?」と健康ドリンク片手にモーレツに働くことが求められた時代がありました。

  • 働き方、とくに残業の問題を考える(写真はイメージ)
    働き方、とくに残業の問題を考える(写真はイメージ)
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上司に求められるマネジメントの仕方は、大きく変わってきています

   とはいえ、いまはどうなのかといえば、話題の投稿について、私が解説させていただいた記事『「時短勤務、昇格できないのは不公平!」女性の投稿に大激論 「退社後、部下がトラブル起こしたら責任とれる?」「私、時短でも昇格した」...専門家に聞いた(2)』の中でも触れたように、「夜遅くまで頑張っている」「土日も出勤している」「家に帰っても仕事している」なんて誉め言葉がまかり通ってしまう職場は、少なくないようです。

   そんな価値観が通用する職場の上司は、仕事のことだけ考えていれば、マネジメントが可能です。すると、遅くまで残業することになったとしても、「この仕事が終わるまで帰るなよ!」と部下を強面で有無を言わせず従わせてしまう「ストロングマネジメント上司」が、デキる上司として君臨することになります。

   しかし、いまやワークライフバランスを取りながら働く時代です。また、世帯構成も大きく変わり、夫婦共働きが圧倒的多数となっています。男性だけが働いて、それこそ24時間仕事に没頭するような環境ではなくなりました。

   ワークライフバランスが前提のいまは、残業がプライベートにどんな影響を与えるかもイメージしないと、適切なマネジメントはできません。プライベートには家事や育児、介護をはじめ、社員が心身を休ませる時間、趣味の時間など、仕事以外に費やす時間すべてが含まれます。

   時代の変化とともに、価値観も上司に求められるマネジメントの仕方も大きく変わってきているのです。

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ4万人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
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