冷凍ちゃんぽん、ケーキ、刺身...なんと「自販機」で販売!SNSでも話題に! 関係者も熱視線のワケ

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   自動販売機に熱い視線が集まっている――。

   ショートケーキや刺し身など、従来は考えられないような商品が提供されているほか、最近は冷凍食品を扱う自販機が大ヒットしている。新型コロナウイルス禍を機とした非接触ニーズの高まりや人手不足の解消策としてなど、自販機人気の裏にはさまざまな事情があるようだ。

  • 冷たい食べ物まで自販機で買える時代に(写真はイメージ)
    冷たい食べ物まで自販機で買える時代に(写真はイメージ)
  • 冷たい食べ物まで自販機で買える時代に(写真はイメージ)

冷凍食品用の自販機がヒット!...コロナ禍でも注目

   全国各地の飲食店や食品メーカーがいま、店舗前や本社前などに続々と冷凍食品の自販機を設置している。「長崎ちゃんぽん」で知られる大手飲食チェーン、リンガーハット(東京都品川区)がその一つだ。2021年夏から、冷凍したちゃんぽんなどの試験販売を開始し、全国の店舗に順次設置を進めている。「24時間、いつでもお店の味を楽しめる」とアピールする。

   冷凍食品の自販機が広がる大きなきっかけになったのが、自販機の製造などを担うサンデン・リテールシステム(東京都墨田区)の自販機「ど冷えもん」だ。2021年1月から販売を開始し、すでに3000台超が出荷されたという。商品のサイズによって内部の仕切りが調整できるなど、取り扱いが簡単なことが特色だ。

   この冷凍食品自販機の引き合いが強まったのは、コロナ禍の影響が大きいとされている。感染予防から、多くの飲食店が営業時間の制限を余儀なくされてきた。

   だが、自販機なら店内で飲食してもらわなくても、料理を安全に客に提供できる。コロナ禍の経営難でアルバイトを雇えなくなった店も多いが、自販機を活用すれば人手がなくて済むことも歓迎されてきた。

   客の側にしても、自販機なら店員や他の客らと接触せず、本格的な料理などを楽しむことができる。

人手不足のなか「自販機は新たな販売ツールになる」

   自販機の利用者が急増する中、取り扱う商品の種類も急速に増えてきた。

   札幌市などで飲食店を経営するGAKU(札幌市)が販売する、透明なボトルに詰めたショートケーキは若い女性らに大人気だ。

   また、金沢市の近江町市場ではこの夏、刺身を自販機で販売する取り組みが始まった。こうした物珍しい商品はネット交流サービス(SNS)で拡散され、さらに人気が高まる状況になっている。

   もともと日本には自販機が多く、2000年のピーク時には約560万台に上った。しかし、コンビニエンスストアの台頭などで減ってきており、最近は400万台に落ち込んでいる。そんな自販機が、コロナ禍をきっかけに復活の勢いを見せているのだ。

   ある流通関係者は「コロナ禍が収束したとしても、人手不足の日本で自販機は新たな販売ツールになる。とくに中小企業の貴重な販売戦力になっていくのではないか」と話しており、今後はさらに伸びることも期待されている。(ジャーナリスト 済田経夫)

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