人手不足のなか「自販機は新たな販売ツールになる」
自販機の利用者が急増する中、取り扱う商品の種類も急速に増えてきた。
札幌市などで飲食店を経営するGAKU(札幌市)が販売する、透明なボトルに詰めたショートケーキは若い女性らに大人気だ。
また、金沢市の近江町市場ではこの夏、刺身を自販機で販売する取り組みが始まった。こうした物珍しい商品はネット交流サービス(SNS)で拡散され、さらに人気が高まる状況になっている。
もともと日本には自販機が多く、2000年のピーク時には約560万台に上った。しかし、コンビニエンスストアの台頭などで減ってきており、最近は400万台に落ち込んでいる。そんな自販機が、コロナ禍をきっかけに復活の勢いを見せているのだ。
ある流通関係者は「コロナ禍が収束したとしても、人手不足の日本で自販機は新たな販売ツールになる。とくに中小企業の貴重な販売戦力になっていくのではないか」と話しており、今後はさらに伸びることも期待されている。(ジャーナリスト 済田経夫)