新型コロナ禍3年目の2022年8月、初めて行動制限がない夏休みを迎えて旅行への意欲が高まっているが、オンラインで旅行予約するサービスの人気はどこが一番高いだろうか。
モバイル市場専門の調査会社「MMD研究所」(東京都港区)が2022年7月29日、「旅行予約サービスに関する調査」を発表した。
さて、楽しみな旅行、どこで予約する?
ポイント貯まり、ホテルに直接予約するより「お得」
ネットで簡単に宿泊の予約ができる時代になった。そのうえ、各旅行予約サイトとも、実際に宿泊した人の口コミ情報や、宿の部屋を写真ギャラリーで詳しく紹介するなど参考になる。一流ホテル・旅館のみを厳選したり、航空会社と提携して航空券とセットにしたりするなど、各旅行サイトとも個別化に工夫を凝らしている。
ほとんどの旅行予約サイトがポイント制度をとっているので、ホテルの公式サイトから直接予約するよりもポイントが貯まり、お得なケースが多い。ポイント還元率の高さでも競いあっている。
全国の18歳から69歳の男女6609人を対象としたMMD研究所の調査では、まず、「旅行に行きたいか、または行く予定があるか」と聞くと、「旅行に行きたい、行く予定がある」という人が7割近い67.8%となった=図表1参照。過去2年間、行動制限で抑えられてきた旅行への意欲が、一気に噴出したかたちだ。
「旅行に行きたい、行く予定がある」という人に「いつ行くのか」を聞くと、「1か月未満」と「1か月~3か月未満」を合わせて45.3%だったから、この夏休み中か、秋口にかけて予定している人が多いようだ。
「旅行に行きたい、または行く予定の場所が決まっている」4091人には行く場所を聞くと、「国内」が最も多くて75.6%、次いで「国内と海外どちらも」が20.3%、「海外」が4.1%となった=図表2参照。4人に3人が国内だが、両方行きたい/行くという欲張りな人も5人に1人いるわけだ。
「楽天トラベル」と「じゃらんnet」で6割を独占
さらに、国内旅行予定者と海外旅行予定者それぞれに、「行きたい、または行く予定の場所」を聞くと(複数回答可)、国内(3924人)は「関東地方」が37.1%と最も多く、次いで「北海道」が36.2%、「九州・沖縄地方」が36.0%となり、海外(998人)は「ハワイ」が45.6%と最も多く、次いで「台湾」が36.2%、「韓国」が29.0%となった=図表3参照。
ほかのさまざまな旅行サイトでも、ハワイと台湾はいつも人気のツートップだが、コロナ禍以前はイタリアやフランスがベスト5の常連だった。ニュージーランドはコロナの被害が少なかったし、近年ハリウッド映画では絶景地のロケ場所として人気が高まっていることが影響しているのだろうか。
さて、旅行予約をする際に最も利用する方法を聞くと、さすがにインターネット時代の現在、「オンライン」が76.6%と圧倒的に多く、「店頭」は14.6%、「電話・FAX」も7.3%しかいなかった=図表4参照。
そのオンラインで旅行予約をした際に最も利用したサービスを聞くと、「楽天トラベル」が41.0%とダントツに多く、2位に「じゃらんnet」が21.5%と、この2社で6割以上を占めた。
次いで、「Yahoo!トラベル」が6.8%、「Yahoo!トラベル」が6.8%、「JTB」が5.4%、「エクスペディア(Expedia)B」が3.2%、「一休.com」が2.5%となった=図表5参照。
調査は2022年7月1日~7月9日、全国の18歳~69歳の男女6609人を対象にインターネットで行い、オンラインで旅行を予約した441人にさらに詳しく聞いた。
(福田和郎)