ペロシ氏の台湾訪問で米中緊迫 地政学リスク高まり、相場の方向感定まらず(8月8日~12日)【株と為替 今週のねらい目】

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   ペロシ米下院議長が台湾を訪問したことで、米中間に一気に緊張感が高まった。地政学リスクが高まり、外国為替相場で米ドルは、一時1ドル=130円台半ばまで売られた。ただ、米国の金融政策はインフレと景気減速への懸念が交錯する状況。一定のレンジ(価格の範囲)の中で上昇と下落を繰り返して、相場の方向性は定まらない。

   米ドルが再び高値を目指す動きになることも考えられ、2022年8月10日発表の米国の7月の消費者物価指数(CPI)などには要注意。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 台湾問題をめぐり、米中に緊張高まる
    台湾問題をめぐり、米中に緊張高まる
  • 台湾問題をめぐり、米中に緊張高まる

東京株式市場 個別株物色の動き強まる

日経平均株価予想レンジ:2万7700円~2万8500円

2022年8月5日(金) 終値 2万8175円87銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、高値もみ合いか。

   前週の東京株式市場の日経平均株価は、反発。米国のハイテク関連企業の好決算もあり、国内のハイテク株が相場をけん引し、2万8000円台を回復した。

   今週の日経平均株価は、高値もみ合いとなりそうだ。前週末の米国の7月の雇用統計が市場予想を上回ったことで、米国の長期金利も上昇し、米国のインフレ懸念が強まった。

   ただ、米国の景気減速に対する懸念は引き続き強く、米国の金融政策はインフレ懸念と景気減速の「綱引き」状態になっている。10日発表の米国の7月の消費者物価指数の結果が注目される。

   国内では、企業の決算発表が増えて、より個別株物色の動きが強まるだろう。

東京外国為替市場 米CPIがカギ握る!?

ドル・円予想レンジ:1ドル=133円50銭~136円50銭

2022年8月5日(金)終値 134円97銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、もみ合いか。

   前週のドル円相場は、週末にかけてドルが反発した。ペロシ米下院議長の台湾訪問で米中の関係悪化と地政学リスクが高まり、ドルは一時1ドル=130円台半ばまで売られた。しかし、週末にかけて米国のインフレ懸念が高まり、週末には米国の7月の雇用統計が市場予想を上回ったことで、米国の長期金利も上昇。ドルは一時1ドル=135円台半ばまで買い戻された。

   今週のドル円相場は、もみ合いとなりそうだ。米国の7月の雇用統計が市場予想を上回ったことで、インフレ懸念が強まっている半面、米国の景気減速に対する懸念も強い。今後の金融政策を占う点では、10日発表の米国の7月の消費者物価指数(CPI)が大きなカギを握りそうだ。結果次第では、ドルが再び高値を目指す動きになることも考えられ、注意が必要だ。

   経済指標は、国内では8日に7月の景気ウォッチャー調査、9日に7月の工作機械受注、10日に7月の企業物価指数、12日にオプションのSQ(特別清算指数)などの発表が予定されている。

   海外では、10日に中国の7月の生産者物価指数と消費者物価指数、米国の7月の消費者物価指数などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)

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