加速する概算要求基準の「形骸化」...青天井で例外多く 予算の肥大化防ぐ役割、まったく果たせず

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当初予算に盛り込めなかった要求、補正予算での措置が常態化

   問題は当初予算だけにとどまらない。

   年度途中の補正予算編成が定着した結果、霞が関では次年度の当初予算に盛り込めなかった要求内容を、補正予算で措置するのが常態化。従来は「裏技」といわれたが、いまや公然と行われるようになっている。予算肥大化の責任は政治だけではないのだ。

   与党内の力関係も、積極財政派に傾いている感がある。

   予算編成の前提となる「骨太の方針」(6月)の決定に際しても、自民党内の積極財政派と財政再建派が対立。積極財政派の後ろ盾だった故安倍晋三元首相の働きかけもあり、「状況に応じたマクロ経済政策の選択肢がゆがめられてはならない」という一文が加えられた。

   財政再建を大義名分に、必要な財政支出を渋ってはならないという意味だ。

   そこでとくに意識されているのが、防衛予算。概算要求基準の青天井化も防衛予算の増額を前提にしたもので、積極財政派の要求に政府側が屈したかたちになった。

   概算要求基準の形骸化は、赤字垂れ流しの現実から目をそらし、財政破綻に突き進む日本の象徴といえるかもしれない。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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