加速する概算要求基準の「形骸化」...青天井で例外多く 予算の肥大化防ぐ役割、まったく果たせず

21年度の税収総額70兆円なのに、歳出総額140兆円超だった

   なぜ、こうした事態になったのか。背景には、財政健全化に対する政府・与党のあきらめさえ見える。

   2021年度税収は過去最大を更新したものの、それでも税収総額は70兆円に届かない。これに対し、補正予算を含む21年度の歳出総額は140兆円を超える。歳出の半分程度も賄えていない計算だ。

   足りない分は国の借金である国債を発行しており、国の債務は雪だるま式に膨らみ、1000兆円の大台に達している。

「厳しい概算要求基準を設けて財政健全化を目指すより、与党側の顔を立てて大規模な予算を編成してやる方が政権にとってメリットが大きい。深刻な状況だ」

   霞が関からは、こんなため息が漏れる。

   今回同様、数多くの例外を認めた22年度当初予算は、概算要求の総額は110兆円を超え、4年連続で過去最大を更新した。これをもとに編成された当初予算の総額は106兆円と過去最大となった。

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