ペロシ下院議長「台湾訪問」、火をつけた米中激突!世界経済どうなる? エコノミストが指摘...早くも「経済制裁」「サプライチェーン影響」「日本にも飛び火」

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早くも世界のサプライチェーンに大きな影響

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秋の共産党大会を控えて絶対に「弱腰」姿勢を見せられない習近平指導部(写真は北京の天安門)

   米ブルームバーグ(8月3日付)によると、8月4日から台湾周辺海域で始まる中国の大規模な軍事演習と「台湾有事」を恐れて、東アジアを航行中の液化天然ガス(LNG)を運ぶタンカー船などが、航路を変更したり、速度を落としたりして、早くも世界のサプライチェーンに大きな影響が出ているということだ。

   こうした米中対立の長期化に備えて、サプライチェーンの再構築を急ぐべきだと主張するのは、第一生命経済研究所主席エコノミストの西濵徹氏だ。

   西濵徹氏のリポート「ペロシ米下院議長の台湾訪問、米中関係や東アジア情勢への影響は」(8月3日付)によると、このタイミングでペロシ氏が台湾を訪れた背景には、民主主義支援を理由に掲げているものの、

「今年11月に実施される中間選挙を巡って、バイデン政権及び与党・民主党が苦境に立たされる展開が続くなか、明確な対中姿勢を示すことで局面打開を狙ったものとの見方もくすぶる」

としている。

   一方、米中間選挙と同じ時期に共産党大会を控える中国も、政治的に重要な時期であり、「弱腰」姿勢を見せれば、盤石とされる習近平指導部さえ足元をすくわれかねない。だから、「結果的に米中双方が『高い球』を投げ合う状況に陥っている」と、西濵氏は指摘するのだ。

「(今回)ロシアと北朝鮮が中国を支援しており、ウクライナ問題をめぐり鮮明化した欧米などと中ロなどとの分断は一段と広がる可能性が高い。他方、バイデン政権が目論んだ対中制裁の見直しは暗礁に乗り上げる一方、政治・経済的安定を求める中国は、米国との正面衝突は避けたいなかで難しい対応を迫られる。米中および東アジア地域の緊張状態を前提に、サプライチェーンの再構築などに取り組む必要性は高まっている」
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