初めて行く場所も、これなら安心...視覚障がいの方、期待のアプリ「EYECAN」開発秘話 ポイントは自動運転技術【前編】/ZMP社長・谷口恒さんに聞く

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なぜデリロ、ラクロ、パトロには「目」があるのか?

――それにしても、デリロ、ラクロ、パトロ......いずれも「目」が特長ですね。

谷口さん「そうなんです。ラクロはやさしく、やわらかい表情。モノを運ぶデリロは俊敏なイメージの目。警備ロボのパトロは、キリっとした表情です。歩行速ロボ三兄弟とも目が動いて、喜怒哀楽(怒はパトロだけですが)を表現します。また、声(音声)を出して周囲の人とコミュニケーションをとることができるのも特徴です。
それで、どうして『目』なのか――。
流行りのデザインでいえば、シンプル、クールなものが多いと思います。ところが、街中を移動するロボットが、シンプル、クールだったら、みなさんはどう思うでしょうか。言ってしまえば、金属の塊ですし、危ない、邪魔だ、と思われてしまうものです」
「私は、東京藝術大学大学院に入って、目の必要性についても研究したんですよ」と谷口さん
「私は、東京藝術大学大学院に入って、目の必要性についても研究したんですよ」と谷口さん
谷口さん「実は、試作段階では1年くらい、おしゃれな、かわいらしいロボットをつくっていました。そして、試作機が完成すると、街中で動かして実験してみるのですが、人に避けてもらう場面がけっこうありました。その都度、申し訳ないな、という気持ちになったのです。そういうとき、ロボットが行く方向を示したり、『こんにちは』『ありがとう』とあいさつしたりできたらいいなと、観察しながら気づきました。
そこで、目をつけることで、ロボットが進む方向を示すことにしたのです。面白いから、という理由だけで目を入れているわけではありません(笑)。目があることで、人間同士のアイコンタクトのように、ロボットがどこに行こうとしているか、視覚的にわかりやすくしているのです。
また、歩行速ロボ三兄弟を、街の中のみなさんに認めてもらえる、共感してもらえる。そして、街の新しい仲間として受け入れてもらいたい、と考えていました。そのためにも、目や、声(音声)によるコミュニケーションは欠かせません」
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