中国経済まで減速? エコノミストが指摘...不安要素の数々「ゼロコロナ」「文化大革命逆戻り」「指導部権力闘争」「就職氷河期」

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習近平氏と、党ナンバー2・李克強総理の暗闘

北京の天安門広場。秋の共産党大会に波乱が起るか?(写真はイメージ)
北京の天安門広場。秋の共産党大会に波乱が起るか?(写真はイメージ)

   さて、習近平氏は今年秋の「共産党大会」で異例の3期目を目指すが、前途多難だと懸念を示すのが、日本経済団体連合会のシンクタンク「21世紀政策研究所」研究委員の小嶋華津子慶應義塾大学教授だ。

   小嶋氏が「週刊経団連タイムス」(6月23日付)に掲載したリポート「中国共産党大会に向けて~行き詰まる習近平式統治」によると、共産党内での習氏の権威は盤石ではないようだ。

「習氏はこれまで、党の人事を差配する中央組織部のトップに清華大学時代の学友・陳希氏を配し、自身の腹心を党の要職に引き上げてきた。しかし、(中略)ここにきて、習氏の腹心が昇格を逃すケースが報じられている。中国政治のダイナミクスが人事に規定されていることに鑑みれば、これは習政権にとって1つの不安定要因となるだろう」

   そこに、経済不振による人々の生活の悪化が加わった。

「中国共産党による一党独裁の正当性の源泉の1つは、生活向上への期待感であった。(中略)コロナ禍およびゼロコロナ政策が経済に与えた影響は甚大である。現在、党のナンバー2である李克強総理の陣頭指揮のもと、国務院により経済政策が次々と策定されており、一部には、『李上習下』(李克強が残り、習近平が降りる)という流言まで飛び交っている。しかし、経済政策はこれからが正念場であろう」

   小嶋氏はこう結んでいる。

「指導部内の権力闘争も、官僚主義との闘いも、民衆の生活難による社会不安への対応も、中国が毛沢東時代から歴史的に抱えてきた問題である。しかし、毛沢東時代と大きく異なるのは、今や大国となった中国の安定と発展が、日本や世界の安定と発展に直結するという点である」

(福田和郎)

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