中国経済まで減速? エコノミストが指摘...不安要素の数々「ゼロコロナ」「文化大革命逆戻り」「指導部権力闘争」「就職氷河期」

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不動産バブル崩壊から、消費活動全般の低迷に

   若年層の失業率と並び、足下で中国経済を脅かしているのが「不動産バブルの崩壊」と指摘するのが、伊藤忠総研チーフエコノミストの武田淳と、同客員研究員の玉井芳野氏だ。

   2人のリポート「中国経済:年後半に回復を見込むも先行き不透明性高まる」(7月26日付)によると、現在、中国各地でデベロッパーの住宅建設の遅れに抗議するため、建設中の住宅の購入者が集団で住宅ローン返済を拒否する動きが広がっている。なかには、デベロッパーに融資している金融機関に大勢で押し寄せる騒ぎも起こっている。

   これは、中国政府が過熱する不動産バブルを抑制に舵を切り、資金難に陥った業者が工事を中断したためだ。リポートでは、不動産投資や販売数の減少のグラフ(図表6参照)を示したうえで、こう懸念する。

(図表6)不動産投資・販売・貸出数(伊藤忠総研の作成)
(図表6)不動産投資・販売・貸出数(伊藤忠総研の作成)
「抗議の広がりが住宅の買い控えにつながれば、デベロッパーの資金調達環境がさらに悪化し、不動産市場の調整が長引くことになる。当社では不動産投資底入れの時期を2022年10~12月期と観ていたが、後ろ倒しになる可能性が高まっている。不動産市場の調整が長期化すれば、素材産業の投資や家具・家電などの関連消費、雇用、金融、地方財政など広範囲に悪影響が及ぶため、政府の対応が期待される」
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