コンサルと監査法人、「同じ」グループでいいの?
さらに、もう一つの視点として、コンサルティングファーム(会計系)と監査法人(アドバイザリー)を同じグループが担ってよいのか、という問題もあります。
一般に、会計系のコンサルティングファームが担っているコンサルティング業務は、例えば会計体制の構築や会計システム導入の提案や支援、さらには赤字企業の再生計画の立案など、経営のアドバイスに当たります。
一方、監査法人の場合、大手の監査法人では「監査部門」と「アドバイザリー部門」があり、アドバイザリー業務として、例えば長期経営計画や財務といった視点で経営課題、経営戦略の支援についてアドバイスに当たります。「監査部門」と「アドバイザリー部門」は担当スタッフも分かれていますが、中堅・中小の監査法人の場合はアドバイザリー業務の「担当者」がいるという位置付けにすぎません。
監査法人のコンサルティングは、ほとんどが財務コンサルティングになりますが、M&Aアドバイザリー業務(デューデリジェンス)、企業再生アドバイザリーなどもあり、必ずしも財務・会計の情報ばかりではありませんし、M&Aや企業再生の事案が増える傾向にもあります。こうしたことから、現在はM&Aや企業再生のコンサル業務を分社化してFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)という別法人が担うようになってきました。このように、「情報障壁」に気を遣っていなかったわけではないのも事実です。
こうした問題に対して、最近はEY(Ernst & Young Japan)やKPMGコンサルティングなどの会計系コンサルティングファームが株式を上場しようとしているようです。株式上場により、経営の透明性を確保し、信用力を上げていこうという狙いがあるようです。こうした流れは、面白い動きだと考えています。
では、また!
(馬医金満)