がんになったら、「勧誘」増えた...経験者は語る 相談する相手、間違えないで【尾藤克之のオススメ】

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悩みを一人で抱え込まないこと

   がん告知を受けた方々の多くは「否定→怒り→落胆→回復」の心理状態をたどるといいます。がんは死の告知ではありませんが、葛藤する人が多いということです。事実、筆者である私の周りにも、「怪しげな」民間療法に手を出して、不幸な結果になってしまう人もいました。正しく知り、正しく恐れ、限界に制限をかけないことが必要なのだと理解しました。

   ポジティブな性格の方は、立ち直りやすいと聞きます。一方で、悩みを抱えがちな方はふさぎ込み、生きる気力を失ってしまいます。悩み抜いた結果、抑うつ状態に移行するケースも珍しくありません。自分一人ではどうにもならないときは、仲間のところに行きましょう。孤独に悩んでいては、どんどん世界が狭まってしまいます。

   では、どのような人に会えばいいのでしょうか。がん患者の方々にとって最も心強い味方は、がんの苦しみを分かち合える存在。いわゆる「がんサバイバー」です。過去には、絶望の淵に立たされていた方もいるでしょう。健康な家族や友人には理解してもらえない悩みも、彼らは深く共感し、よき相談相手となってくれるのです。

   本書には、「がんになりました」と自らのSNSで公表した著者が体験した周囲の反応と、自分の気持ち、日常生活を通して感じたリアルがしたためられています。多くの人に目を通してもらいたい一冊です。

(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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