「時短」への不利益な取り扱いは育児・介護休業法違反
――なるほど。ところで、育児・介護休業法には「事業主は子育て中の労働者が所定労働時間の短縮措置(時短勤務)などを取っていることを理由に、不利益な取り扱いをしてはいけない」と定められています。ということは、時短だからといって「昇格」を認めないのは法令違反ということになるのでしょうか。
川上さん「仕事で相応の成果を出すなど、昇格条件に当てはまっているにも関わらず、時短勤務という理由だけで昇格させない、などの不利益を被っているようであれば、不当な扱いを受けていると判断される可能性があると思います。
投稿者さんの職場では、ほかの時短勤務者も昇格できていないようです。仕事の成果いかんに関わらず、一定の勤務年数を経ると昇格できることが通例化しているのであれば、時短勤務という理由だけで不当に扱われてしまっていることも考えられそうです」
――たしかに、「うちの会社では時短の人でも昇格できる」という意見がいくつかありました。また、実際に「私は時短で昇格した!」という人たちの生々しい奮闘の体験談も寄せられました。
川上さん「時短でも昇格できる職場は、勤務時間の長短ではなく、成果や能力などの要素も加味して、昇格判断しているのだと思います。もし投稿者さんがそのような職場で昇格がかなわないでいるとしたら、『時短勤務だから昇格対象ではない』ということではなく、職場としては『昇格対象でない人が時短勤務している』と受け止めている可能性があると思います。
ただ、それはあくまでその職場における判断です。投稿者さんご自身がその判断に納得できるのであれば、職場の昇格基準に見合うよう対処策を考える必要があります。一方、職場の判断に納得できないのであれば、ご自身の考え方に近い職場を新たに探すことも一つの方法だと思います」