アフターコロナの接客業とは? 大切なスキルは「伝える力」【前編】/ジェイボックス代表・松尾琢磨さんに聞く

店舗スタッフも画面で伝える力が求められている

――御社もライブコマースやインスタライブなどをやってみたのですか?

松尾さん「弊社でもインスタライブをやってみましたが、やること自体を告知するのがまず大変でした。インスタライブをやることはできるのですが、やればいいだけではありません。もともと、顧客リストがしっかりあるとか、Facebookの友達が多いとか、前段階でお客様とのつながりを持っていないと、たとえライブをやったとしても、うまくいかないですね。弊社は、ハワイアンジュエリーブランドの中ではトップクラスでお客様とのつながりは多いと思いますが、それでも結果的には100人くらいが見に来てくれるくらいです」

――かなり、ご苦労されたようですね。

松尾さん「ライブも1回20~30分やっていると、回数を重ねるうちに腕も上がってくるんですね。そうなると、あらかじめシナリオを書いてやらなければダメだったということに気づいてくる。YouTuberのスゴさを改めて感じました。もしかしたら、店舗スタッフもデジタル画面で物事を伝える力を、これからは学ぶ必要があるのかもしれないですね。

ライブコマースやインスタにしても、やっぱり主役は若い人たちだと思います。アフターコロナの会社がどうあるべきかといえば、若い世代にどんどん権限を委譲していく必要があるのではないでしょうか。50歳の自分がいいと思うところと、20代の女性たちがいいと思うところは全然違います。自社のお客様のターゲットと同じ世代の人たちの声に耳を傾け、権限を委譲していかないといけないと思いました。
みんな最初は、コロナ禍がすぐ終わって元に戻ると思っていた。けれど、結果的にこれだけ長引いて苦しかったなか、我慢していたこの2年で、その状況に合わせて便利なものもたくさん出てきました。それは、コロナ禍が終わっても別に捨てる必要はないですよね。ジュエリーで言えば、ECサイトの写真や動画のクオリティを上げていったり、お客様にとって使いやすいように変えていったりしないといけないと思います」
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