米国経営者の固定給は9%、9割以上を「成果」で稼ぐ
図表4は、日本と米国、英国、ドイツ、フランスの経営者の報酬の比較だ。
これを見ると、日本の報酬額の中央値1.2億円は、米国(15.8億円)の13分の1、ドイツ(6.9億円)の5分の1、フランス(3.7億円)と英国(3.3億円)の3分の1だ。しかも、固定給は、たとえば米国が9%で成功報酬が91%を占めるのに対し、日本は固定給が60%。これでは、いくら成果を上げても報酬はあまり増えない。
報告書では、こう提案している。
(1)単年度主義ではなく、長期の業績との関係をしっかり見る。そのためには経営者の情報をすべてオープンに開示する。そして、成果をあげられない経営者はすぐに退場させ、成果をあげている経営者には長く続けてもらってもよい。
(2)本人の努力による業績向上か、それ以外の要因によるものか、業績を客観的に把握する指標や数式をつくる。
(3)たとえば、株価がいくら増加したかではなく、同業他社と比較してどれだけ増加したかなど、客観的に比較・検証できる評価制度が必要だ。
経営者に対する厳しい目が必要だ、というわけだ。
(福田和郎)