役員報酬と従業員給与との格差1位、トヨタの105倍
報酬額10億円以上は8人(前年5人)で、前年を3人上回った。ちなみに、慎ジュンホ氏の報酬額40億円以上は、2017年のソフトバンクグループのニケシュ・アローラ元副社長(報酬額103億4600万円)以来、5年ぶりの登場だ。
企業別の開示人数は、日立製作所が18人(前年15人)で、3年連続最多。2位は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(同11人)と東芝(同1人)の各13人。4位は、大和証券グループ本社と三井物産の各9人で、前年と同人数だった=図表2参照。
また、東京商工リサーチは今回、興味深い調査を行っている。株式報酬などを含まない役員の報酬額(基本報酬と賞与)の最高額と、その会社の従業員平均給与との「格差」を調べたのだ。
格差が最大だったのは、トヨタ自動車のジェームス・カフナー取締役(報酬額9億600万円)で、従業員の平均給与(857万1000円)と105.7倍の差があった。ちなみに、国税庁がまとめた給与所得者の平均給与(2020年版)433万1000円とは209.1倍の差がある=図表3参照。
2位は、ソフトバンクグループのサイモン・シガース元取締役(報酬額11億5100万円)で、従業員平均給与(1322万3000円)との差は87.0倍。3位は、建物管理の日本管財(東京都中央区)の福田慎太郎会長(報酬額2億6500万円)で、従業員の平均給与(356万2000円)とは74.3倍の差だった。
なお、今回の調査は、全証券取引所の3月期決算の上場企業2355社(未提出9社を除く)を対象に、有価証券報告書で役員報酬1億円以上を個別開示した企業を集計した。