映画館の逆襲!「絶対に大スクリーンで見たい」 動画配信&コロナ禍に勝った戦略、キーワードは「リアル」

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「3Dリアル体験」座席の高額チケット代で稼ぐ

映画にポップコーンはつきもの(写真はイメージ)
映画にポップコーンはつきもの(写真はイメージ)

   また、座席の間引き営業なども徐々に緩和・撤廃されたことも重なり、1スクリーン当たりの入場者数も前年の2.9万人から3.2 万人と増加した。

   動画配信サービスでは味わえない3Dなど「リアル」体験を前面に押し出したことも大きい。大手シネコンでは1回あたりの映画チケット代は反対に上昇を続け、2021年度の料金(平均1410 円) は過去最高となった。

   4DX(ユナイテッドシネマ)や IMAX(TOHOシネマズ)など、入場料が高額な体感型シートが人気を集めたことで、全体の料金水準を押し上げた=図表2参照。動画配信サービスの拡大で、一度は「映画館離れ」が懸念されたものの、大画面による圧倒的な迫力や音響効果が功を奏し、来場機会の減少を付加価値による客単価の上昇で補う構造へと変化しているのだ。

図表2:映画代への支出動向、映画のチケット代が上昇した(帝国データバンクの作成)
図表2:映画代への支出動向、映画のチケット代が上昇した(帝国データバンクの作成)

   2022年度もさらに市場の回復が進みそうだ。

   本物の戦闘機を数十機も使って撮影したというトム・クルーズ主演の「トップガン マーヴェリック」(5月公開)が7月に入っても多くのシネコンで上映を続けている。

   また、人気コミックを原作に、女子高校生たちがアウトドアを楽しむ姿をゆるやかに描いたアニメ映画「ゆるキャン△」(7月公開)など話題作の興行成績も好調だ。

   7月末には恐竜が大都会で暴れ回る「ジュラシックワールド/新たなる支配者」が控えている。これこそ、動画配信サービスでは決して経験できない、映画館が誇る「生のリアル」のド迫力だろう。

(福田和郎)

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