「仕事にやりがいを感じられない」と離職しかねない新入社員...どうしたらいい?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE 8】(前川孝雄)

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「その悩みは新入社員なら誰でも感じるものだ」と諭してよいのか?

   このCASEの部長のように、ベテラン会社員ほど「今どきの若者は辛抱が足りない」と感じることも少なくないでしょう。若手の頃は誰もが一度や二度は感じる悩みで、それを乗り越えて成長していくものだ、と。

   そこで、A課長も、Bさんに次のように諭すことが考えられます。

「Bさんの気持ちは、わからないではない。でも、新入社員の頃に、誰しもそうした悩みを感じるもの。仕事は地味で単調に感じるかもしれないが、若手のうちは基礎を学ぶことが大事だ。乗り越えれば、次第に仕事の本当の面白さもわかってくる。もう少し頑張っていこう」

   この説明には説得力があり、良識的と感じることでしょう。

   このCASEの部長が言うように、入社早々に地味な仕事を嫌うような発言は甘え以外の何物でもない。どんな仕事にも、地道で基礎的な作業が不可欠。その先に、華々しい第一線の仕事ができるようになっていくもの。そう考えれば、A課長のアドバイスは妥当なものと思えます。

   しかし、新入社員の発言を頭から否定的に捉えてしまうと、単なる現実知らずにしか見えなくなってしまいます。そうした思い込みと決めつけは、危険です。

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