財布は使いやすく、分相応が重要
筆者である私は、以前、長財布伝説(長財布を使用している人が成功する)を聞いたとき、強い違和感を覚えました。新しい靴に足を馴染ませるように、財布もお金に馴染ませておくことが理想で、満月の光に財布をかざすなどの細かな財布の作法も存在しました。
私は、政治家や経営者たちとのお付き合いがあります。政治家は、スーツの胸ポケットにしまえる長財布(札入れ)を使用している人が多い。そして、経営者は二つ折りが多いと思います。レシートやカードで財布がパンパンになっている人を見たことはありませんが、これは物や情報の整理が上手というだけの話です。財布の形と今のポジションとの「相関関係」はありません。
肌感覚では、政治家や経営者の長財布の比率は6~7割程度です。だから、必ずしも、「高ステータス=長財布」の方程式が当てはまるとは考えられません。しかし、きちんと財布の中を整理して、自分の持っている財産の情報を確認しておくことに意味はあるでしょう。財布は、個人の財務情報を把握する道具です。財布は使いやすい形で、分相応であることが望ましいといえます。
高ステータスの人は、稼ぐことの大変さを知っています。お金のありがたみも知っているうえに、怖さも知っています。私たちは、目立ちたがり屋のお金持ちに注目しがちですが、普段目にすることができない本物のお金持ちの存在に気付くべきでしょう。
本書には、「お米は『ふるさと納税』で買う」「クレジットカードは1枚にする」「老後のお金は『iDeCo』か『NISA』で増やす」など、簡単にできてお金の流れがよくなる方法が満載。お金の不安が消える一冊を読んでみませんか。
(尾藤克之)