「スマホに給与が入ってる」 そんな時代がやってくるかも! メリットは? 利用したい人3割って多い、少ない?

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   「給与デジタル払い」...... あなたの給与がスマートフォンに入金される日がやってくるかもしれない。

   現金か銀行口座振り込みでしか受け取れなかった給与が、「○○Pay」といったスマホ決済や電子マネーで支払われる「デジタル給与払い」の解禁に向けた議論が進んでいる。

   そんななか、 モバイル市場専門の調査会社「MMD研究所」が2022年7月21日、「給与デジタル払いと個人間送金に関する調査」を発表。「給与デジタル払い」が始まったら利用したいという人が3割、また実際に「○○Pay」で個人間送金をしている人も3割いるという。これって多いのか、少ないのか?

  • いずれやって来る!? 「給与デジタル払い」時代(写真はイメージ)
    いずれやって来る!? 「給与デジタル払い」時代(写真はイメージ)
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「給与デジタル払い」のメリットとデメリット

   「給与デジタル払い」とは、これまで現金か銀行口座振り込みでしか受け取れなかった給与が、「○○Pay」といったスマホ決済や、ペイロールカード(Payroll Card)、電子マネーなどデジタルマネーとして受け取れるようになること。

   メリットしては次の点があげられる。

(1)キャッシュレス決済に利用しやすくなる。 振り込まれた給与をチャージする手間がなくなり、チャージする際の手数料も軽減できる。
(2)海外ではすでに実現しているところも多く、外国人労働者の受け入れ拡大に必要不可欠。特に、外国人労働者が日本で銀行口座を開設するのにさまざまな制限があり、現金支払いが多い問題を解決できる。
(3)銀行・証券・保険にIT技術を組み合わせる「フィンテック」サービスが広がり、新たに多くのビジネスが誕生、国際競争力向上に役立つ。

   一方、デメリットとしては、こんな懸念が指摘されている。

(1)安全性に問題がある。「○○Pay」などの資金移動業者が経営破たんしたときの補償や、迅速な払い戻し、資金の保全、ハッキングによる不正送金など課題が多い。
(2)KDDIやNTTドコモなどの大規模通信障害の際にもみられたが、通信ネットワークの保守、セキュリティに不安がある。
(3)チャージ上限が100万円となっているところが多く、高額な給与の振り込みには適さない。
給与は本来、現金払いが原則。銀行振り込みは例外なのだ(写真はイメージ)
給与は本来、現金払いが原則。銀行振り込みは例外なのだ(写真はイメージ)

   現在、成長戦略の柱にデジタル化推進を掲げる政府が、労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)を中心に制度設計を急いでいる。しかし、「安全性の不安」を問題視する労働側委員の反対にあって調整は難航している。

   そもそも、労働基準法第24条では給与支払い方法について、「通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならない」と定めており、銀行振り込みでさえ例外なのだ。

   デジタル通貨を扱う資金移動業者が、個人情報の保護、従業員教育、監督指導体制の明確化などで銀行業者と同じ水準に達することが必要不可欠となる。

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