「面白家電」サンコー創業者が書いた起業への参考書

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誤解がもとで起業?!

   そこで、38歳のときに無我夢中で起業する。あとになって、社長がダメ出しをしたのは「もっと考えろ」という意味だったとわかるのだが、山光さんの誤解で起業したのだから、人生はわからない。

   この後、資本金300万円でサンコー有限会社を設立するところから始まり、最初の商品の仕入れ、売れ過ぎて回転資金の現金が足りなくなる自転車操業の日々を綴っている。

   ファーストリテイリングの創業者、柳井正さんの著書の「キャッシュが尽きればすべてが終わり」を肝に銘じたという。しかし、金融機関から融資を受けることも知らない世間知らずだったと書いている。

   株式会社になり、社員2人を雇い、3年目には年商4億円になったが、ベンチャーキャピタルと組んで増資という中長期的な経営計画がなかった。そのため、会社の成長が停滞した、と反省している。

   追い風が吹いたのは、モバイルバッテリーの進化によって、USBからの電源に頼らなくてもよくなったことだ。それまでは「パソコン周辺」機器というカテゴリーだったが、場所の制限がなくなったのだ。

   社員も20人近くなり、売り上げも2016年には10億円を超えたが、「家電メーカーだ」というビジョンを打ち出せなかった。

   「経営者の成長が、会社の成長に追いついていかない」とまた反省している。この時期、中国人社員による横領などの危機もあったが、なんとか乗り越えた。そして今、第二の創業期を迎えた、と書いている。

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