「面白家電」サンコー創業者が書いた起業への参考書

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マッキントッシュとの出会い

   山光さんは、いまでこそ「年商44億円の世界最小の家電メーカー」の社長になっているが、若い頃から「起業してやろう」とか考えていたわけではないという。むしろ、流されるままに生きてきて、そういう人が起業して社長になってしまったという半生だと振り返る。

   1965年、広島県呉市に生まれた。呉市の中心部からバスで1時間半かかる山の中の集落で育ち、水泳と魚釣りが好きな少年だったという。

   学校の成績はあまりぱっとせず、公立高校は受けさせてもらえず、私立高校へ進んだ。そこで、初めて「学校の先生になりたい」という人生の目標を持った。浪人して横浜市の予備校に入った。翌年、駒澤大学の文学部歴史学科へ進学したが、漫画ばかり読み、大学への足は遠のいていた。

   そんなある日、アメリカのアップルコンピュータ社(現在のアップル社)が、マッキントッシュを発売したという記事を雑誌で読み、衝撃を感じたという。カタチそのものに猛烈な未来感を覚え、なんとか手にいれようと決意。印刷工場で夜勤のアルバイトをしてお金を貯め、64万円で日本語対応の「マッキントッシュプラス」を買ったのだった。

   時間があればマッキントッシュをいじり、秋葉原のアップル製品販売店でアルバイト店員になった。そのうちマッキントッシュを使ったDTPに夢中になり、デザイン会社に就職。しかし、あまりの仕事のきつさに30歳でアップル製品販売店に出戻り、身につけた編集技術を活かす仕事についた。

   周辺機器をアメリカから買うために英語学習にのめり込み、廉価なCDドライブを仕入れて、売ったところすぐに完売、4億円を売り上げた。これが最初の成功体験。その後、売れそうだと思う商品を選んでは企画書や提案書を社長に持っていくが、首を縦に振ってくれなかった。

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