仕入れ価格上昇懸念あるが...成長力に期待
パルグループHDは1973年、スコッチ洋服店のカジュアル部門を分離して大阪市にパルの本社を設立したことに始まる。
本社は現在も大阪市にあり、2022年2月末時点で総店舗数は902。このうち衣料が583、雑貨が319。「ファッションセンターしまむら」の店舗数が同時期に1421ということを考えると、相当な規模に成長していることがわかる。
同社は、商品の企画から製造、販売まで自前で行うことで、利益を挙げやすい体質。そのうえ、主要ターゲットが若年層の女性であることに加え、通販の売上高が2022年3~5月期に前年同期比27.7%増となり、今期目標の400億円が視野に入るなど拡大していることも強みだ。
2022年3~5月期の想定を上回る回復によって業績予想を上方修正したパルグループHDだが、第3四半期(9~11月)以降は慎重に見ている。
「円安などを理由にした輸入食品の値上げによる消費者マインドの変化、原材料価格の値上げによる仕入れ原価の上昇が懸念されるなど外部環境の変化による影響が予断を許さない」と捉えているからだ。
とはいえ、シュリンクが続く百貨店とは逆に若年層向け、通販好調という強みを持つだけに、その成長力を期待する投資家の買いが入る局面が続くことも予想される。(ジャーナリスト 済田経夫)