岸田首相の「アナウンス」で、投機的円安にストップを
そして、熊野氏は円安にストップをかける手立てをこう提案するのだった。
「各国とも物価上昇対策に頭を悩ませている。日本が各国と異なるのは、中央銀行が政策金利を動かさずに、物価対策を成功させようとしている点だ。(中略)岸田首相の記者会見では、『物価上昇が国民生活に大きな影響を与えているので、1兆円の地方創生臨時交付金を活用し、低所得層への給付金を上乗せする』と物価対策に言及した。これだけで物価上昇の痛みを緩和できるとは到底思えない」
「むしろ、政府が考えている円安対策の弱さが見透かされるだけだ。投機的取引は、安心して取引を活発化させることだろう。
筆者(である熊野氏)は、むしろ政府が日銀にもっと政策に柔軟性を持たせたほうが良いと伝えることが、投機的円安の流れに動揺を与えると考える。具体的には、長期金利の変動幅を柔軟に動かす可能性を検討するというアナウンスである。現在、そうした観測が出ていないからこそ、アナウンスは(投機筋の)安心をかき乱すショックを与える。(中略)円安を止めるには今考えられる絶妙の考え方だろう」
(福田和郎)