夫婦とも年収700万円以上!「パワーカップル」コロナ禍で増加の謎 エコノミストが解明...キーワードは「働く妻」「オンライン化」「男女平等意識」

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「アベノミクス」のもとで広がった所得格差

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パワーカップルは貯金額も多い(写真はイメージ)

   一方、第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は、コロナ禍によって日本経済が低迷したにもかかわらず、その期間、なぜ高収入のパワーカップルが増えたのかという一点に絞って分析した。

   永濱氏のリポート「コロナ禍で『パワーカップル』が増加する訳 ~キーワードは『非接触業種』と『オンライン化』~」(7月19日付)でも、ニッセイ基礎研究所の久我尚子さんと同様に、「パワーカップル」を「夫婦ともに年収700万円以上」と定義している。

   そして、「アベノミクス」下で世帯間の所得格差が広がる中で「パワーカップル」も増加していったと指摘する。図表3は、2人以上世帯の所得上位20%(高所得世帯)と、下位20%(低所得世帯)の所得格差の推移を表したグラフだ。

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(図表3)低所得世帯に対する高所得世帯の所得倍率(第一生命経済研究所の作成)

   永濱氏はこう説明する。

「2000年代後半から2012年頃までは、(所得格差は)概ね低下傾向にあった。しかし、アベノミクスが起動し、極端な円高・株安が是正されたと考えられる 2013年以降は、一転して世帯間の所得格差は広がるトレンドにあり、現在に至っていることがわかる」
「世帯間の所得格差がこの時期に拡大し始めた理由は、もちろん『パワーカップル』の増加と無縁ではない。むしろ、2人以上世帯の所得格差拡大の背景には、男女間の給料格差の縮小の結果もたらされた『パワーカップル』の増加があると考えられる」
「以前は、妻の収入が増えれば、夫の収入が少なくても家計全体では収入が増える一方、夫の収入に余裕がある妻は働く必要性が低下するため、家計間の格差は縮まるのではと考える向きもあった。しかし、現実には女性の進学率の上昇や社会進出が進み、男女の給料に差がなくなればなくなるほど『パワーカップル』が増え、高所得と低所得の2人以上世帯の所得格差が広がる傾向にあると言える」
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