「ふとり」教育に疲弊...東洋経済「学校が崩れる」、ダイヤモンド「BtoB製造業」を特集&安倍晋三元首相緊急レポートも

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   「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」、毎週月曜日発売のビジネス誌3誌の特集には、ビジネスパースンがフォローしたい記事が詰まっている。そのエッセンスをまとめた「ビジネス誌読み比べ」をお届けする(※「週刊ダイヤモンド」は、先週が今週との合併号だったため、今週は休刊)。

  • 教員不足、公教育を取り上げた(「週刊東洋経済」の特集から)
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安倍政治は何を残したのか?

   2022年7月8日、通算8年を超える憲政史上最長の治績を誇り、首相退任後も自民党の最大派閥を率いてきた安倍晋三氏が凶弾に倒れた。安倍政権は日本をどう変えたのか、各誌が特集している。まずは、この「安倍元首相」の巻頭特集を見ていこう。

◆東洋経済「安倍晋三元首相 『異次元』の航跡」

   「週刊東洋経済」(2022年7月23日号)は、緊急リポート「安倍晋三元首相 『異次元』の航跡」を巻頭に掲載。

   安倍政権が政治に遺したものを同誌「フォーカス政治」の執筆陣が振り返っている。

   東京大学教授の牧原出氏は「長期安定政権が残した忖度の構造と人材難」と題し、外交分野と安全保障で大きな足跡を残したことを評価する一方、官邸に権力を集約した体制は次第にやせ細り、とどめを刺したのが新型コロナウイルス感染症だった、と総括している。

   ノンフィクション作家の塩田潮氏は「未達成に終わった宿願の『改憲』挑戦」と題し、憲法の改正には公明党が壁になったことを安倍氏が明かしていた、と書いている。タカ派を自任していたものの現実主義的な側面もあり、最長在任記録を残したのは、「腰高の割に重心が低く、間口も広い、気さくな大衆政治家」という一面を備えていたからでは、と見ている。

   帝京大学教授でジャーナリストの軽部謙介氏は、議論百出の経済政策とも言える「アベノミクス」について、今後地道な検証が必要だ、としている。

   今後の政治状況について、法政大学教授の山口二郎氏は、今回の参議院選は、さまざまな意味で政治の転換点となるだろう、と予想している。安倍政治が終わり、平和志向の戦後政治も転機を迎え、野党の再構築も必要になる、と書いている。

◆エコノミスト「『安倍政治』の遺産」

   「週刊エコノミスト」(2022年7月26日号)は「『安倍政治』の遺産」と題した巻頭特集を掲載した。

   毎日新聞専門編集委員の伊藤智永氏は「安倍氏不在で自民党保守派は流動化する」と見ている。党内最大派閥の後継者不在によって、党内の権力バランスが不安定になるからだ。岸田首相は安倍氏とのパイプ役だった松野博一官房長官に頼ることになるだろう、と予測している。

   アベノミクスについて、法政大学教授の水野和夫氏は「成長、あるいはインフレがすべてを癒すといった近代の幻想を夢見た経済政策運営だ。まったくの時代錯誤だと思う」と批判、格差拡大をもたらしたと考えている。

   今後、安倍政権がもたらしたものの検証は、多くのメディアによって続けられていくだろうが、いち早く、ビジネス誌が着手したことに注目したい。

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