小麦価格の高騰を受け、その代用として米粉に注目が集まっている。
パン屋が小麦粉の一部を米粉に代えたり、検索サイトで米粉を使った料理のレシピが紹介されたりするケースが増えてきた。小麦価格は秋以降もさらに上昇すると見られており、米粉の使用が広がりそうだ。
パン、麺、菓子メーカーで続々&レシピ検索サイトでも注目
「小麦粉が高くて採算をとるのが厳しくなり、初めて米粉を取り入れてみようと考えた」
東京都内のあるパン屋はこう話す。街中のパン屋では米粉を使ったパンがよく見られるようになった。
小麦の主要産地であるウクライナへのロシアの軍事侵攻などの影響で、小麦価格が高騰している。政府は2022年4月、輸入小麦の売り渡し価格を平均17.3%引き上げた。1トン当たり7万2530円と、過去2番目の高水準だ。
小麦は国内消費の約9割を輸入で賄っている。今後は輸送費の高騰や円安も加わり、さらなる価格引き上げは避けられない状況だ。
こうした中で米粉ががぜん、注目を集めている。
春ぐらいから、パンや麺、菓子メーカーなどが米粉を小麦の代用として使う動きが加速している。スーパーなどでも米粉を使ったケーキミックスや麺などが並ぶようになり、米粉でパンを作るホームベーカリーなども人気だという。
レシピ検索サイトでも米粉への関心が高まっている。ある関係者は「消費者はやはり値段に敏感。お米の値段の方が安いと聞いて、米粉関連のレシピがどんどん紹介されるようになっている」と話す。