「新型コロナの影響で収入が減って困っている」「助けてほしい」...同情心に付け込んで海産物を売りつける悪質な電話勧誘販売が横行しているため、国民生活センターは2022年7月14日、「急増!海産物の電話勧誘・送り付けトラブル」という注意喚起の報告書を発表した。
2021年度は5000件を超え、前年度より2倍を超えているという。電話で断っても一方的に送り付けてくる業者もおり、国民生活センターでは「代金を支払う必要はありません」と呼びかけている。
「買ってもらわないと困る!」と怖い口調で言われ...
国民生活センターによると、海産物の電話勧誘・送り付けトラブルは、2019年度は全国で1652件だったが、新型コロナが拡大した2020年度には2280件に増加、さらに昨年度(2021年度)に5189件と、2倍以上に増えている=図表。
こんな手口が多い――。
【事例1】「困っているので支援してほしい」と言われて海産物を購入したが、金額に見合わない質の悪い商品が届いた
昨年12月初めに自宅に電話があり、「新型コロナの影響で商品が売れず支援してほしい」と言われ、勧められた海鮮の詰め合わせ約1万8000円を申し込んだ。12月の終わりに再度事業者から電話があり、配送手続きの確認をされた。数日後、代引配達で荷物が届き、中を確認したら、ズワイガニ爪、鮭、数の子松前漬け、ホタテ貝柱、イカ一夜干しなどが入っていた。しかし、値段相当とは思えない質の悪い商品だった。
品物には手を付けず、そのまま冷凍している。商品に契約書が同梱されていたが、クーリング・オフに関する記載はない。契約日には11月の日にちが記載されていたが、電話がきたのはもっと後だと思う。クーリング・オフできないか。(2022年1月・80歳代女性)
【事例2】「買ってもらわないと困る」と電話で強引に勧誘され、海産物の購入を了承したが断りたい
スマートフォンに知らない番号から電話があり、男性が勢いよく話し始めた。店名を聞き取ることができなかった。「10年ほど前にも当店でお買い上げいただいたので、当時のリストを見て電話している。このご時世で経営が苦しいので、今回は鮭、イカ、ホタテなど特別によい物をたくさん入れて、送料込み1万4000円にする。支払いは代引きで、来月以降の発送になる」と勧誘された。
私の住所も知っているようだったが、10年前は違う場所に住んでおり、海産物を買った覚えもなく不審だった。しかし、男性に「ここまで頑張って案内したのだから、買ってもらわないと困る」と怖い口調で言われ、思わず「いいですよ」と言ってしまった。やはり断りたいが、どうしたらよいか。(2021年8月・60歳代女性)