残された小さな「紙もの」から感じる暮らしの賑わい...「絵葉書・旅行案内冊子」古書専門店の魅力【Vol.28 永森書店】

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果てしない絵葉書の世界

   とくに絵葉書は、コレクターが非常に多いそうだ。

「金額の手軽さや、ゴールのない果てしなさが人気の理由かと思います。私も20年以上、さまざまな絵葉書に触れていますが、初めて見るものもまだまだ、たくさんあります」

   日本で絵葉書が流行しはじめたのは日露戦争の頃だそうだ。永森書店では、全国各地の名所絵葉書やデザイン系、戦時中の植民地のものなどを、幅広く取り扱っている。なかでも根強く人気があるのは、東京の街並み・名所を写真に収めたものである。

「やはり街並みのように、現在と見比べた時に変化が大きいものが人気ですね。東京関連は出回っている絵葉書の量も多いです。出回っている数が少ない地域は、値段も高くなっています」

   また、女性をモデルにした美人写真も人気が高い。ケースから明治期に発売された5枚組の写真絵葉書を出してくれた。白黒写真に手作業でほのかに色をつけられた手彩色絵葉書だ。日本髪を結った女性が華やかなドレスを身につけ、ポーズを決めている。当時としても高価な作りであり、希少だという。

黒々とした髪と瞳が印象的だ
黒々とした髪と瞳が印象的だ
なかざわ とも
なかざわ とも
イラストレーター
2016年3月学習院大学文学部卒。セツモードセミナーを経て桑沢デザイン研究所に入学、18年3月卒業。趣味は、宝塚歌劇団、落語、深夜ラジオ、旅行。学生時代より神保町に惹かれ、現在フリーペーパー「おさんぽ神保町」の表紙や本文のイラストを手掛けている。1994年、東京都生まれ。
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