果てしない絵葉書の世界
とくに絵葉書は、コレクターが非常に多いそうだ。
「金額の手軽さや、ゴールのない果てしなさが人気の理由かと思います。私も20年以上、さまざまな絵葉書に触れていますが、初めて見るものもまだまだ、たくさんあります」
日本で絵葉書が流行しはじめたのは日露戦争の頃だそうだ。永森書店では、全国各地の名所絵葉書やデザイン系、戦時中の植民地のものなどを、幅広く取り扱っている。なかでも根強く人気があるのは、東京の街並み・名所を写真に収めたものである。
「やはり街並みのように、現在と見比べた時に変化が大きいものが人気ですね。東京関連は出回っている絵葉書の量も多いです。出回っている数が少ない地域は、値段も高くなっています」
また、女性をモデルにした美人写真も人気が高い。ケースから明治期に発売された5枚組の写真絵葉書を出してくれた。白黒写真に手作業でほのかに色をつけられた手彩色絵葉書だ。日本髪を結った女性が華やかなドレスを身につけ、ポーズを決めている。当時としても高価な作りであり、希少だという。