アメリカは今年の中間選挙を前に、国内が分断されていると聞く。だが、40年ぶりの記録的なインフレ、激増する大都市での犯罪、ワクチン義務化への猛反発などにより、バイデン政権の支持率が最低であることはあまり日本では報道されていない。本書「アメリカの崩壊」(方丈社)は、在米35年超の日本人実業家による衝撃のレポートである。
「アメリカの崩壊」(山中泉著)方丈社
著者の山中泉さんは1958年青森県生まれ。オフィス・ファウンテン代表。1980年に渡米し、イリノイ大学ジャーナリズム科を卒業。ニューヨーク野村證券で米国株トレーダーとして勤務後、企業。現在は、シカゴで複数の企業を経営しつつ、日本メーカーの北米代表も務める。著書に「『アメリカ』の終わり」がある。
バイデン政権はほとんどの政策で「落第点」
まず目を引くのは、表紙裏だ。山中さんによるバイデン大統領(2021~2022)の成績表が載っている。A-Dで採点し、最高点はA。FはFailure=落第である。
【防衛・外交】
アフガニスタンでの惨めな敗戦 F
対欧州諸国 完全に信頼を失う F
対ロ政策 ウクライナ D
対中政策 人権・貿易 F
対日政策 記載なし
【経済・内政】
40年ぶりの激しいインフレ F
ワクチンパスポートへの怒りと不信 F
治安悪化 大都市での犯罪激増 F
ポリコレを口実にした言論弾圧 F
国境開放政策による不法移民激増 F
支持率ダダ下がり 中間選挙の見通し F
上記のように落第点が並び、【総合点】もFとなっている。いったいどういうことなのか。