分岐処理で仮説を立てる癖がつく
ひろゆきさんはABEMAで、「マッドマックスTV論破王」という番組に出演し、ディベート対決をしている。
その場でテーマを知らされ、相手が先に立場を選ぶので、事前対策ができない。しかし、8割ほどの確率で勝っているという。
それは、状況に合わせた思考法に慣れているからだという。条件処理のプログラムを書いていると、仮説を立てる癖がつき、人生を今より少しだけ「お得」に生きていくことにもつながる、と書いている。
そして最後に、「反復処理」を学ぶ。
プログラムの流れが輪を描くようになるので、「ループ処理」ともいう。そのための文の1つ、for文(=for())が登場し、カッコ内には「初期化」「条件式」「増減式」という3つの処理が入っている、と説明している。日常に潜む「ループ」の例を挙げ、「仕事に熟練する」とは、ループを見出すことだとも。
一通り学習すれば、Webページを動かし、簡易伝言板や自動返信ボットをつくることができるようになる。
プログラミングができれば、自分の頭の中でWebサービスの構築がイメージできるようになるという。その際、「独自のものを作ろう」と意気込まずに、成功しているアイデアを「パクって」、オリジナル要素を少し加えるくらいの気楽な姿勢のほうが成功の近道、と鼓舞している。
プログラミングを本格的に学ぼうという人のために、Python(パイソン)やJava(ジャバ)などのプログラミング言語の特徴に触れている。どのプログラミング言語にも変数やif文、for文があって大まかな書き方は似ているので、1つ覚えれば、他に乗り換えるのもそれほど難しくないという。
無味乾燥なプログラミング言語の入門書に、「それを知るとどんな能力が身につくのか」という功利主義的な観点を導入したのがユニークだ。例文もわかりやすく、これまで類書で挫折した人もゴールまで到達できるだろう。
(渡辺淳悦)
「プログラマーは世界をどう見ているのか」
ひろゆき著
SB新書
990円(税込)