投資ゲームは「もぐら叩き」から「チェス」に
さて、では今後の投資はどうしたらよいのだろうか。
シュローダー・インベストメント・マネジメントのグループCIOマルチアセット運用・グローバルヘッドのヨハナ・カークランドさんは、リポート「もうそろそろ(底に)到達したのか?」のなかで、「これから魅力的な投資タイミングが始まる」とアドバイスする。
カークランドさんは、
「子供と一緒に旅をしたことのある人なら、長距離の旅で、『まだ着かないの?』と聞かれることがあるでしょう。私の7歳になる娘も、よくこの質問をします。そして、ふと足元の市場環境でさまざまな投資判断をする中で、私自身の問いが娘に似ているということに気づかされました。(中略)その問いに対する、現時点での私の答えは『まだ』です」
と述べたあと、これまでの金融緩和下での高い利回りやリターンを求める投資は「モグラ叩き」だったと強調する。
「『モグラ叩き』はご存じのように、一か所でもぐらを叩くと、そのもぐらは消えますが、別の場所に別のもぐらが出現する、というゲームです。市場に置き換えていえば、利回りが得られそうな気配がすると、マイナス金利から逃れようと投資家の資金が大挙して流入してくるようなものです」
しかし、FRBが金融引き締めに舵を切った現在、「もぐら叩きゲームからチェスゲームに移行したといえる」という。そして、こう結ぶのだった。
「最も魅力的な投資タイミングは、『景気回復』局面ではなく、『景気後退』局面に往々にして出現する傾向があります。したがって、今後数か月で成長見通しが暗くなったとしても、弱気になり過ぎないようにする必要があると考えます。(中略)『もうそろそろ(底に)到達したのか?』という問いではなく、『次(の目的地)はどこか?』という問いを始められる市場環境になってほしいと思います」
(福田和郎)