同志社大学の岩瀬颯汰さんが、ノルウェークローネと英ポンド、ユーロとのクロス円取引で大勝。第6節(2022年7月4日週)で、早くも100万円の2倍増に迫ってきた。「欧州通貨安が決定的となり、明確な下降トレンドとなった」と振り返る。
追う一橋大学のチームMegisは英ポンド/スイスフランとユーロ/米ドルを選択。確実にプラスを重ねる。ユーロ/米ドルは保有したまま越週した。思うようなトレードができていない北海道大学金融研究会は、今週は取引をじっくり見直した。弱点が見つかったようで次週が楽しみになってきた。
「どこで負けているのか」見えてきた!(北大金融研究会)
みなさん、こんにちは。FX大学対抗戦は第6節を迎えましたが、他の大学と比べて、私だけがプラス1万円前後で右往左往しています。これから追い上げていかなければいけませんが、どうにも私の実力が足りていません。
そこで、今回はこれまでの私のトレードを振り返り、これからのトレードを再度考え直そうと思います。
◆ これまでのトレードを振り返って
最初に、私が「どこで負けているのか」が見えてきました。私がよく失敗しているのは、「その日の最初のトレード」です。特に最初の2、3回のトレードは負けることが他よりも多いです。
これは単純に、その日のトレンドをまだ、つかめていない段階でトレードしてしまっているからでしょう。トレード開始時点でマイナスを出して、最初のマイナスを取り返すために取引をする、という流れが確かに体感的にも多かった気がします。
対策は単純で、トレード開始した直後に取引しない、するとしても1ロット程度で様子を見ながらトレードしようと思います。
次に、私が「どこで勝っているか」についてです。主に(1)小ロットでの取引(2)指値注文による取引――。この2つです。(1)小ロットの取引については、おそらく精神的なものが関連していると思います。ロットを多くすれば、その分精神的プレッシャーが高まり、損切りを早まってしまったことがあったように思います。小ロットの時の余裕が、ロットを増やしても必要ということでしょう。大きなロット数では、特に評価損益で一喜一憂してしまうので、評価損益を見ずにチャートだけ見て判断するのでも良いのかもしれません。
次の(2)指値取引による注文ですが、この勝率が高いのは単純にトレード前にチャートの動きをある程度予測してからポジションを取っているからでしょう。成行がすべてダメというわけでもないので、すべて指値にする必要はないでしょうが、ある程度ストーリーを予想してからポジションを持つのは大事だと感じました。
まとめると、(1)トレード開始直後は控えめで行く(2)ロット数を恐れず、損切りを早まらない。そのために評価損益を見ない(3)ポジションの持ち方は指値が理想。指値でなくとも値動きのストーリーを予想する――。この3つを、これからは意識していこうと思います。
◆ 今週の取引
今週は取引を見送りました。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
7月8日現在 101万760円
◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
今回はトレードをせず、これまでの自身の取引を見つめなおしたとのことで、それもとても有意義なことですね。私も勝てないときは、勝てない理由が、場数が足りないことではないとなれば、じっくり考え込んで戦略を立てていました。あとは、おそらくどこで勝負を掛けていいのかがまだ見えていないのかなと思うので、エントリー時に確度が高い、低いが少しずつわかるようになるとロットの操作をしても良いと思いますが、まだそこが難しいうちは一定のロットで取引することをオススメします。
なぜなら、未熟なうちにロットをころころ変えてしまうと、金額ベースで取引を評価してしまう恐れがあるからです。
レポートに書いていただいているとおり、「評価損を見ずに~」と書かれていることがそれを物語っているのでしょう。ロット数を恐れているうちはロットが高いということなので、始めは勝てたときは少しうれしいな、負けたときは少し残念だなと思うくらいのロットがちょうどいいので、検討してみてはいかがでしょうか。
◆ プロフィール
Xトレードは初挑戦。今まではファンダメンタルを基礎とした株式投資を行っていました。今回のFX大学対抗戦では、せっかくのデモトレードということで、テクニカル分析にも挑戦したいです。趣味は映画観賞。最近観た映画の中では「ドライブ・マイ・カー」が推し。
北大金融研究会(HFAC)所属。投資は積立投信から始め、半年ほど経つ。FXは試しにかじってみたものの1500円の損失を出し、情報の大切さと難しさを体感。今回、もう少しチャレンジしてみることにした。趣味は旅行、写真など浅く広く。プロフィール写真は今年2月に訪問した納沙布岬。
?北大金融研究会
ウクライナ危機で安全通貨志向は続く(一橋大学 チームMegis)
今回、私たちはファンダメンタルズ要因も引きつづき考量しつつ、テクニカル分析を重視して取引しました。その理由は、相場が以前のようなわかりやすい傾向を示さなくなってきたことです。以前のような円高一辺倒の傾向ではなく、今週も円高が一時急激に進む場面がみられました。
こうした比較的難しい状況ではわかりやすいレンジブレイクが表れにくく、私たちが今まで行ってきた方法では取引すべき通貨を見つけられないということもありました。このような状況に対処するために、各種指標から相場観を形成し、レンジブレイク以外の局面でも自信をもって取引することを目標にしました。
◆ 英ポンド/スイスフラン
7月4日時点では上から長期の移動平均線、短期の移動平均線、ローソク足という配置になっていたことから、ポンド安・スイスフラン高が進むと予想しました。MACD(マックディー)線もシグナル線を下回ってマイナス領域にあり、さらにポンド売りが進むと考えられました。
また、ウクライナ問題はいまだ好転の見込みが立たず、安全通貨志向は続くと考えました。結果的に7月6日までポンド安がすすみ、そこで利益を確定することができました。利確した理由としてはMACD線とシグナル線の幅が拡大しなくなり、反発する恐れがあると判断したことです。
◆ ユーロ/ドル
次に取引を決めたのがユーロドルです。こちらも上から長期の移動平均線、短期の移動平均線、ローソク足という配置になっていて、ユーロのドルに対する下落が予想されました。ユーロ安は5日に大きく進み、割とはっきりしたトレンドが現れ始めていました。ユーロが5日に大幅に下落したことでMACD(マックディー)も売りサインを示していました。
また3日に発表された5月の米雇用統計において、非農業部門の雇用者数が伸びは鈍化したものの予想を上回り、利上げに伴う景気冷え込みへの懸念が弱まったとみられたこともユーロ売りを決めた理由のひとつです。8日には6月分の米雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数が予想を大きく上回りました。今後もドル高は続くのではないかと考えられ、指標を重視しつつポジションを持ち続ける見込みです。
◆ 今週の取引
前週からの損益 プラス6万4890円
7月8日現在 146万4850円
◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
相場が難しくなって方向性が難しくなったときに、割り切ってテクニカルだけでトレードするのは私もよくします。そこでしっかり収益を取れており、とても良い判断だったと思います。
そして、やはりユーロはもはや景気後退懸念や、なによりロシアから天然ガスが入ってこなくなる恐れなどエネルギー不足問題もあり、インフレも止まらないというところで、かなりネガティブです。米ドルはひたすら堅調な推移なので、ファンダメンタルズから考えてもユーロドルは下方向というところで、パリティ(等価)寸前(片足は突っ込んだみたいです)まで下落してきました。そんな旬なユーロドルを持ち越す判断も良かったと思います。
来週のユーロドル決済報告があるのか、またさらに持ち越すのかわかりませんが、楽しみですね。
◆ プロフィール
一橋大学投資サークルTOWALYに所属しています。FXの経験はまだ浅いのですが、この一年を通してさまざまなことを吸収し、成長していきたいと思っています。テクニカル分析に興味があります! 1年間よろしくお願いします!
林檎
一橋大学投資サークルTOWALYに所属しています。ファンダメンタルズ分析を基に株式投資を行っており、FXはまだ初心者です。モラトリアム実践中! 経験が浅いFXでは試行錯誤が続くことと思いますが、みなさんに成長していく姿をお見せしたいと思っています! よろしくお願いします!!
強気! ノルウェークローネで攻めた(同志社大学 岩瀬颯汰さん)
◆ 今週(7月4日週)の相場の振り返り
今週は5日にBOE(英中央銀行) による金融安定報告書の公表が行われ、公表後の記者会見にてベイリー総裁が世界の経済見通しが著しく悪化しており、世界の金融情勢が全体として大幅に引き締まったとの指摘がありました。実際ロシアのウクライナ侵攻に付随するロシア産原油、天然ガス問題によりEU(欧州連合)のエネルギー問題は深刻であり、エネルギーと原材料価格のボラティリティやリセッション懸念から妥当な指摘であると思います。
ただ、この金融安定報告書の公表以降、欧州通貨安が決定的となり明確な下降トレンドとなったため、比較的取引しやすい週でした。
◆ 実際の取引
今週は英ポンド円と先週(6月27週)に引き続きノルウェークローネ円、ユーロ円の3ペアで取引しました。まず、英ポンド円は相場の振り返りにも述べたとおり5日以降下降トレンドとなっていたので、5日に0.5ロットでショート(売り)し、その日の内に利益確定しました。
また、他の欧州通貨も軒並み下降トレンドとなっていたので、ユーロ円も5日に0.3ロットでショート(売り)し、こちらのペアに関しては急落しても南欧経済が脆弱であることから米国のような急激な利上げができない見込みが強いこともあり、ポジションを持ち越し。8日に利益確定しました。
ノルウェークローネ円は、英ポンド円とあらかた同じ理由ですが、これに加えて原油価格が一時1バレル=97.43ドルまで下落するなど、ニューヨーク原油先物相場の急落もあり、産油国のノルウェーにとってマイナスであるいう情報もあったので強気に10ロットでショート(売り)し、5日のうちに利益確定しました。
◆ 所感
今週は5日から下降トレンドとなっており、レンジも大きかったため過去最高の利益を生み出すことができました。先週(6月27週)ユーロ円で赤字を出してから財政政策だけでなく、経済指標や社会情勢も確認する大切さを学べたこともあり、より明確な根拠をもって取引ができるようになったと感じています。今後も失敗と成功を繰り返し、トレーダーとしての感覚を高めていきたいです。
◆ 今週の取引
前週からの損益 プラス47万4000円
7月8日現在 191万7200円
◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
じつは私も今週は英ポンド/円とユーロ/円のショート(売り)をしておりましたが、偶然にも岩瀬さんとほぼ同じところのエントリーと利益確定でした。(笑)
やはりEU(欧州連合)とイギリスはファンダメンタルの状況が良くないので、なかなか買いたいとは思わないというところで、今週の円高でクロス円が下落したところを狙えたのは、さすがでした。
ファンダメンタルズ分析からトレード戦略を練って、それを反映させた取引を行い、今週も安定して収益が出ており、確度が高いところは強気で入る。しかもエントリーと利益確定のタイミングもとてもうまいです。言うことなしです!(笑) 来週のトレードで、ついに資金を倍の200万円にするのか、期待したいと思います!!
◆ プロフィール
FXは高校時代から独学で学んできており、このたびは自身の実力を試したく、このFX大学対抗戦に臨んでいます。不束者ですが、よろしくお願いします。
◆ ◆ アドバイザーのプロフィール
得意な通貨はポンドで、最近は仮想通貨も取引。
ツイッター @fx_yukatin
CXR投資チャンネル https://www.youtube.com/channel/
100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはフリーとします。
・レバレッジは、25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で大きな損失が発生して資産が「ゼロ」になった(元本割れを起こした)場合は、その時点でリタイアとなります。
・運用期間は6か月で、最終週時点での資産増減額で順位を決めます。
学生投資連合USIC
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/