女性管理職「男性社員からのやっかみにうんざり」
J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、今回の「妻がキャリア(出世)を捨てようとしている」と心配する夫の投稿をめぐる論争について、女性の働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに意見を求めた。
――今回の投稿と多くの回答者の意見を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか。
川上敬太郎さん「管理職への昇格を拒否する妻のことをもったいないと思う投稿者さんは、昇格や昇給は誰もが望むことだという価値観をお持ちなのかもしれません。一方、回答者のみなさんは、価値観は人によってざまざまであることを踏まえ、冷静な視点からアドバイスされているように感じます」
――背景には、いわゆるバリキャリと呼ばれる女性の中に管理職になりたくない人がけっこう多いことがあげられます。川上さんが研究顧問をされている、働く主婦層の調査機関「しゅふJOB総研」で、働く女性の管理職に対する意識を調べたことがありますか。
川上さん「以前、主婦層を中心とする就労志向の女性に管理職になることを希望するか否かを尋ねたところ、『希望する』と回答した人は5%に留まり、『条件によっては管理職を希望する』と回答した人と合わせても36%でした。一方、『管理職は希望しない』と回答した人は53%と過半数に及びました。
◇管理職について
また、男性と比較して女性管理職が少ない理由について尋ねると、『結婚や出産をすると管理職として続けづらい雰囲気が職場にあるから』と回答した人が最も多く、8割を超えています。
フリーコメントを見ても、『実際に管理職に就いたことがありますが、男性社員からのやっかみや陰口にうんざりしました』『能力が高い女性であっても、責任のある仕事を任せない風潮がある』『出産・育児で職を離れる期間があることを考えると、女性は組織にとらわれず、自分で仕事をするのもよい』といった意見がありました。
かねてから女性は管理職を希望する比率が低いと言われてはいましたが、その背景として職場の雰囲気が少なからず影響しているのだと思います。投稿者さんの妻も、職場の中で同じような雰囲気を感じている可能性は否定できないのではないでしょうか」