「黄金の3年」...改革実行できれば日本株にもプラス
さて、岸田政権の「黄金の3年」は、株式市場にどんな影響を与えるだろうか。
「岸田首相が長期政権を築くことになれば、株価にはプラスに働く」と期待するのは野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏だ。石黒氏のリポート「参議院選挙後の日本株相場見通し」(7月11日付)では、1954年就任の鳩山一郎氏から2021年就任の菅義偉氏まで歴代首相30人の在任日数と、首相就任期間中の日経平均株価騰落率を比較したグラフを取りあげた=図表4参照。
そして、こう指摘した。
「首相在任日数と同期間の日経平均株価の騰落率には正の相関があり、政治の安定は株価にプラスに働く傾向が確認できます。実際、在任日数上位10人の日経平均株価騰落率の平均値は約62%の上昇となっている半面、同下位10人のそれは約5%の下落と明暗が分かれています」
「歴代最長の在任記録を誇る安倍首相は、女性や高齢者の就労機会の拡大により在任期間中に日本の就労者数を約400万人増加させたほか、ビザ緩和などを通じ訪日外国人観光客を2012年の836万人から2019年には3188万人にまで拡大させるなど、日本経済を底上げしました。(中略)『黄金の3年』を活かし、岸田首相が日本が抱える課題に対して、改革を実行に移すことができれば、日本の変化と政治の安定を評価する投資家も増えるとみられ、日本株の見直しにつながる可能性もあります」
世界の金融市場は岸田首相のお手並み拝見といったところだろうか。
(福田和郎)